« 究極の持ち物。現代ビジネスマン四種の神器 | HOME | 寒うー 寒うー ほんまに寒うー »

2005年01月21日

アメリカから見た日本の国際競争力

1月19日、大阪産業創造館で開催されたセミナー【知的財産活用プロジェクト】経営に役立つ知的財産の知識と戦略を受講してきました。昨年から知的財産に関するセミナーが増えて、私も大阪産業創造館で受講する同テーマのセミナーはこれで5回目になりました。500人ほど収容できる会場は満員で、2時間の講演終了後の質疑応答も非常に積極的に行われ、知財の活用に対する企業の興味の深さが浮き彫りとなったかんじです。

このセミナーの講師は、大阪工業大学・知的財産学部助教授で元キャノン(株)知的財産本部の田浪和生氏。冒頭に「何故、知的財産が重要か?」という話の中で「低迷する日本の総合競争力」という図を示されました。

050121-01.gif

このグラフは「知的財産」と名が付く会議、シンポジウム、講演では必ず引き合いに出されるものです。(出典:国際経営開発研究所 IMDの国際競争力年鑑)同年鑑によると日本の国際競争力は下落の一方で、1992年に世界1位だったのが2002年は30位です。(2005年は何位になるのでしょうか?)

しかし、同助教授は「このグラフは日本を過小評価している」として、次の表を示されて「アメリカは2005年の競争力トップは
"日本"と予想していた」とおっしゃったのでえっ!と驚きました。

イノベーション指数による競争力比較 050121-02.gif
出典:1999年に米競争力評議会が公表/日経BP社

長期不況からようやく脱しかけたかに見える日本。しかし、中国をはじめとするアジア諸国に追い上げられ競争力は下がる一方ではないのか?と誰もが思うはず。ところが世界のトップを行くアメリカは随分違う見方をしているようです。上表は1999年の予測とは言え、アメリカから見ると技術競争力の潜在的脅威はあくまで日本、続いて北欧やスイス...ということのようです。台頭著しいアジア諸国の名が上位に出てこないのは不思議。

イノベーション指数は、かなり複雑な計算に基づいて各国の技術革新の優位性を指数化したものです。一見繁栄しているように見えても、途方もない人的資源を武器に追い上げてくる国の足音を背中に聞いているアメリカや先進各国。その危機意識は「イノベーション」こそが先進国の繁栄にとって不可欠なものである。平均的な製品を平均的な手法で作っていたのでは市場がグローバルになっている中で高い賃金と生活水準を維持してはいけない。今後の繁栄は、いかに動いている的に狙いを絞り続けていけるか、すなわち新しい製品・サービス・手法を見つけて市場に出していけるかにかかっている、という考えから見い出された指標です。

上の表からは、アメリカにとって日本という存在が(技術面においては)未だに仮想敵国として位置付けられていることを示しています。将来おいてもそうであることが日本の繁栄のバロメーターとなるかも知れません。こうしたアメリカ側の評価を、ある意味では自信の拠り所とし、ある意味では厳しく受け止めて、イノベーションによる知財立国の実現を目指して踏ん張るしかない、そんな気がしますが...

投稿者 messiah : 2005年01月21日 00:00

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://go1by1.com/mt/cgi-bin/mt-tb.cgi/37

コメント

コメントしてください




保存しますか?


▲TOP   ■HOME