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2005年02月14日

ニッポン放送の株式取得騒動の背景には?

今話題になっているライブドア社によるニッポン放送株式の大量取得に関連してフジテレビとの間で起こっている騒動。マスコミの注目は仕掛けたライブドア社・社長だけに集まっています。しかし、この問題は企業と企業の関係、企業と投資家の関係を巡って生じた利益争奪の駆け引きが背景にあるような気がします。

2004年2月にニッポン放送がフジテレビに対して自社株式を売却して、それまで32.2%あったフジテレビ株の保有比率が22.5%に減少したことを受けて、配当金の税制上のメリットを喪失したとして大株主の投資ファンドがニッポン放送に抗議しています。(25%以上ないと配当金の二重課税を回避する益金不算入制度が適用されないため配当利益を損なうから)

そして投資ファンド側は、ニッポン放送とフジテレビの歪な資本関係(親会社・子会社の規模が逆転した)の是正と将来の株主価値・企業価値の毀損防止を唱えて、投資ファンド側の代表取締役他2名を社外取締役とするように株主提案を行います。これに対してニッポン放送側は自らが選択した3名の社外取締役候補を提示して投資ファンド側に株主提案の取り下げを依頼したのでした。

ここで投資ファンド側はニッポン放送に対して、資本政策を正式に議論できる場の設置とその場への参加を保証するならば株主提案の取り下げを検討すると返します。

この問題は、ニッポン放送が選任した社外取締役、ニッポン放送経営陣、主な大株主の3者が資本政策を議論する「資本政策懇話会(仮称)」の設置を、ニッポン放送側が取締役会で前向きに検討する、と譲歩した結果、投資ファンド側が株主提案を取り下げて一応の決着をみます。(2004年6月)

こうした経緯があったのですが、少なくともニッポン放送とフジテレビ、ニッポン放送と投資ファンドのそれぞれの間で、互いに利益追求を求めて相容れない対立構造が形成されても不思議ではないでしょう。ライブドア社がどのように絡んでいるかは不明ですが、こうした背景が今回の騒動の導火線となっていると考えるのは飛躍でしょうか。

投稿者 messiah : 2005年02月14日 18:51

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