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2005年02月15日

単なる商品広告でない広告の効果

先日、1日限定で牛丼を復活させた吉野屋が全国紙の半面の大きなスペースで広告を出していました。曰く、

牛丼を愛してくれて、ありがとう。
たった1日だけで、ごめんなさい。

コピー、なかなかうまいですねえ。牛丼を1日復活した後に全国から5,000を超えるメッセージが届きその中からピックアップした46通りの顧客の声が掲載されていました。ちょっと印象に残ったメッセージを紹介します。

早く普通に吉牛を食べれるようになりたいですね。今日印象的だったのは、みんな行列を作って待っているのに楽しそうでした。(私を含めて)(東京都 会社員 41歳)

このメッセージには素直な気持ちが滲み出ています。「もうすぐ食べられるぞ」と思うと行列に並んでいることすら楽しめる、そんな心を持たせてくれるこの牛丼の商品価値は高い。それは、例え一時であっても心を暖め幸せにしてくれる価値です。そうした価値を提供し続ける限り、今は牛肉輸入ができなくて苦しい状況が続いていますが、必ず顧客は忘れずに待っていてくれるはずです。

本当は大盛を食べたかったのですが並んでいる人を見ると一人でも多くの人が口に出来る様にと思い並を頂きました。並盛¥300と言う大英断も感動しました。(愛知県 会社員 36歳)

この人のような気持ちを今の時代にみんなが持っていたら、殺伐とした空気が消えて心豊かな世の中になることは間違いありません。

続けて吉野家は、現在日米政府間で協議されている部分的な輸入解禁が実施されても牛丼をつくるための「ショートプレート」(バラ肉)が足りない状況には変わりないと紙面で訴えています。ショートプレートを使う理由は吉野家によると

 ・ ショートプレートはWHOの定めるカテゴリーIV(無感染性)に属し、BSEが感染した実例がない。
 ・ BSEは生後30ヶ月以上の牛からしか発生実績がないが、輸入しているショートプレートは生後24ヶ月未満の牛のみを
  使用している。
 ・ BSEおよび口蹄疫の未発生国のみを輸入先としている。

部分的な輸入解禁が実施されても確保できるショートプレートは需要の1割程度しかないと説明し、広告の終わりにアメリカ産牛肉輸入の正常化を願っていると結んでいます。

最近の広告を見ると単なる商品広告でないものが増えています。今回の吉野家の広告は顧客への感謝の念と問題の提起を兼ねたタイムリーなもので、効果が後々効いてきそうな広告でした。(因みに私は牛丼はあまり食べませんが)

投稿者 messiah : 2005年02月15日 08:11

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