« この順位、何だかわかりますか? | HOME | 昔の事は鮮明に憶えているのに..... »

2005年03月24日

黒字路線をひた走るトロッコ列車

京都の観光名物の1つに嵯峨野トロッコ列車があります。JR京都駅から山陰(嵯峨野)線で嵯峨嵐山駅で下車。下りるとすぐ横にトロッコ嵯峨駅があります。ここから終点のトロッコ亀岡駅まで、保津川渓谷の美しい景色を見ながらレトロなトロッコ列車でゴトゴトと旅をする鉄道です。開業は1991年。当時、山陰線の電化に伴い、山沿いにあった旧線が廃線となるところに「トロッコ列車でも走らせてみよう」という思いつきでスタート。ところが(大方の予想を完全に裏切って)2004年には過去最高の89万人の観光客を集めて黒字路線をひた走り、ローカル線のモデル鉄道になっています。

このトロッコ列車に乗ってみると、何か心が和むものを感じます。暖かみというか親しみというか、そういうムードがあるのです。(未だの方は乗ってみてください)

車掌さんの車内放送がユーモアたっぷり。
「今の間で結構ですから、どうぞ空いてる席にお座りください。今の間だけですけど。」とか、
「この駅で下りたら保津川下りには行けません。ここで下りますと船の方は、見てるだけーでございます。」とか、
「この鉄橋の上で臨時停車します。カメラ撮影してください。特別サービスでございまーす。」とか、
やたらよくしゃべる。

そして極めつけに終着駅手前では替え歌を歌い出します。「...トロッコをよろしくー♪今日の日は、さぁよーおなら♪また、会う日までーー♪」(美声とは言えませんが、まあご愛嬌)

車内では若い女性がポラロイドカメラを持って乗客一人一人の記念写真の撮影に回ってきます。値段(いくらかは忘れた)は結構高いのに、「まあ、記念になるからいいだろう」と、つい買ってしまうムードがそこにあります。

050324-02.jpg
トロッコ列車の車窓から

嵯峨野観光鉄道の長谷川社長によると、
何もしなければお客さんは3年で飽きてしまう。だから、いつも何か新しいことをするようにしている。
とのことで、確かにお客さんが喜ぶことをいろいろやっています。

 ・ 貨車をレトロ調に仕立てて、わざと木製のすわり心地のよくない椅子で雰囲気を作った。
 ・ 貨車の天井を透明にして桜や紅葉を見やすくした。
 ・ 鉄橋上の嵐山の景色が一番よく見える場所で臨時停車をする。
 ・ 乗務員がクリスマスにはサンタやトナカイ、ハロウィーンにはカボチャのお面で仮装をする。
 ・ 海外(特に台湾)からのお客さんに対する挨拶のために中国語の特訓をしている。

と多彩です。今年は3,000万円を投資して桜や紅葉のライトアップを計画中とのことです。黒字の陰にはこうした企業努力あり。でも、その努力を楽しみながら出来れば苦労にはならない。

長谷川社長は1971年に国鉄に入社し、1990年に嵯峨野観光鉄道に出向となりました。そして、1998年には実績を評価されてJR西日本の和歌山支社長に栄転したのですが、自分から申し出て2000年に再び嵯峨野観光鉄道に戻っています。そこには、情熱を燃やせるものがあるからでしょう。

投稿者 messiah : 2005年03月24日 08:31

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://go1by1.com/mt/cgi-bin/mt-tb.cgi/94

コメント

コメントしてください




保存しますか?


▲TOP   ■HOME