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2005年06月14日

地球に対してペイ・バックする番です

今から500万年~1000万年前のアフリカで、地球内部のマントルの動きによって大異変が起きました。

それまでアフリカとくっついていた(現在の)アラビア半島が次第に離れていったのです。

現在のエチオピア、ケニア、タンザニア地域では猛烈な火山活動と地震を伴う地殻変動によって大地が隆起し、標高4,000m以上の山脈が誕生します。

さらにその中央部が陥没して巨大な裂け目ができ、アフリカ大陸を南北に貫く大地溝帯(グレート・リフト・バレー)が生まれます。

高い山脈が形成されると、それまで大西洋側から吹き込んでいた湿った風が東側に吹き込まなくなり、アフリカ東部の熱帯雨林がだんだんと草原に変わっていきました。

現在、コンゴなどの赤道付近では年間3000mm以上の雨が降り、その雨によって育まれた熱帯雨林が広がっていますが、同じ赤道付近でもグレート・リフト・バレーの東側では雨が少なく一帯はほとんどがサバンナです。

不思議なことに、人類の化石はグレート・リフト・バレーの東側でしか発見されていないのです。

そこから「人類はグレート・リフト・バレーの東側で誕生した」という仮説が生まれ、イースト・サイド・ストーリーと名付けられました。

アフリカのサルたちにとって、豊富な食物を提供し外敵から身を守ってくれる森林はまさに楽園でした。

しかしサルたちは、「森」の崩壊という大きな環境変化により、生き残るための重大な選択を迫られます。

消えゆく「森」を追って西へ西へと移動するか、それとも「森」を捨てて草原で暮らす道を選ぶか、という選択。

この時、「森」を捨てる決断をしたサルこそが、我々人類の祖先なのです。

どんな偶然に左右され、どんな奇跡に遭遇しながら、彼らが我々へと命をつないできたのでしょうか?

その時もし...

他のサルと同様に西に移動していたら...

東へ移動したとしても、食料がなかったら...

サバンナの肉食動物の餌食になっていたら...

地殻変動による大規模な土砂崩れで生き埋めになっていたら...

・・・・・・・・・

今の我々がここにいるのは、想像をはるかに越えた”偶然”と”奇跡”の連続の結果なのでしょう。

とは言っても、偶然や奇跡はテレビドラマか映画の世界、と考える現代人にはピンとこない話かも知れません。

しかし、生と死・繁栄と滅亡の生命40億年の試行錯誤の結果、「我々がここにいる」ことはまぎれもない事実です。

人類は地球によって数々の偶然と奇跡を用意してもらった、いわば「選ばれた命」だったのではないか。

人類の祖先は、大きな環境変化に対して、生存を賭けて立ち上がりました。

そして食料を求めて、サバンナに点在する森から森を移動する手段として、二足歩行を発明します。

二足歩行は、前足を道具を作る手に変えました。道具を使うことを覚えた人類の祖先は、やがて農耕を発明し、定住環境を作り、社会を形成していきます。

しかし、地球からもらった”偶然”と”奇跡”に対して、子孫の我々は地球に何も返していません。

もし、500万年前の祖先がタイムマシンで現代に現れたら、「昔さんざん助けてもらったんで、地球に何か良いことをしてあげてくれないか」と我々に言うかも知れません。

今度は人類が、環境対策等で地球にペイ・バック(恩返し)する番がきています。

投稿者 messiah : 2005年06月14日 07:36

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