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2005年06月05日
世界で一番低い所から投げる細身の”業師”
昨日、プロ野球交流戦(千葉ロッテマリーンズvs阪神タイガース戦)をラジオで観戦していました。
勝負はロッテが4対3で逃げ切って、12球団唯一の勝率7割をキープしました。
これで1勝1敗の五分となり、6/5(日)に、このカードの最終戦が甲子園球場で行われます。
「明日のロッテは渡辺俊介でしょう。...手強いですね」とラジオ解説者。
渡 辺 俊 介
もし彼がセ・リーグにいたなら、野球ファンの注目とマスコミへの露出を独占していたのではないか?と思います。
『世界で一番低い所から投げる投手』
『投げる文化遺産』
...と称される千葉ロッテマリーンズのエース。
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元阪急ブレーブスの山田久志に代表されるアンダースロー投手が活躍したのは30年以上前のことになり、今のプロ野球からはすっかり姿を消してしまいました。
そんな現代に登場した唯一のアンダースロー・渡辺投手ですが、希少価値だけでは誰も騒がない。
鞭のように柔らかくしなる身体から繰り出す、低く地を這うような投球フォーム。
こんな下手投げフォームは見たことがない。
プロ野球史上最もアンダースローの名にふさわしい究極のアンダースローのような気がします。
2000年のシドニー五輪に出場して活躍し「世界で一番低い所から投げる投手」と賞賛された。そのリリースポイントの高さは10cmと言われています。手は地上5cmすれすれを通るとも。
2001年にドラフト4位でロッテに入団した渡辺投手は、2003年は9勝4敗、2004年は12勝6敗と着実に勝ち星を増やして、2005年は5/29現在、ハーラーダービートップの8勝1敗と、驚異の防御率1.68という成績。
渡辺投手はこう言っています。
130kmのストレートを速く見せるために、100kmくらいの変化球を使う。緩急を使って打者のタイミングを崩し、内野ゴロを打たせる。スピードは遅いのに何で打てないんだ?って思わせられれば抑えられる。ボクのストレートなんか、松坂(大輔)のチェンジアップよりも遅いんですよ。でも、それでいいと思う。バッターを悩ませるのがボクのピッチング全てですから。プロというのは本来、人より速い球を投げたり、ボールを飛ばしたりする人たちの集まりだと思う。だから、たまに自分がプロにいていいのかなって思うこともありますね(笑) (中略) もっと、ボクのようなピッチャーがプロにいてもいいと思う。アマチュアにはたくさんいるんですよ。でも、高卒ピッチャーで150kmと130kmのアンダースローじゃ、ドラフトにかかるのは150kmでしょ。まだまだ評価は低い。そんな状況を少しでも変えるには、プロにいる選手が結果を残さないと。あいにく、今はボクしかいないんで(笑)。アンダースローだからといってプロへの道を諦めないでほしい。 |
高い所から投げるには身長が必要。しかし、低い所からは、地面という限界がある。
だから、肉体の大きい小さいは関係がなくなる。
渡辺投手はとても細身。腕っぷしも強くなさそうだが、特技が「柔軟体操」というだけあって、並外れた身体の柔軟性を持っています。
筋肉増強をメインテーマとするスポーツ界に、彼のような”業師”が彗星の如く現れて活躍し、力至上主義の潮流に一石を投じる。
これは痛快です。
彼の活躍に刺激されたアンダースロー派が後に続き、スカウトやドラフトが下手投げを再評価して門戸を開けば、プロ野球はもっと面白くなる。
”業師”渡辺俊介に、その牽引を期待しています。
投稿者 messiah : 2005年06月05日 13:11
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