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2005年06月08日
老いて盛ん 変な前国王
「私を侮辱してくれて、どうもありがとう」
カンボジアの前国王ノロドム・シアヌーク氏が、自分のブログに書き込んだ言葉です。
この言葉は、同性愛者の結婚を支持するという前国王の考えに、メールで批判が寄せられたことに対するものですが、前国王はこれに対して次のように述べています。
「わが祖国カンボジアは、1993年以来、リベラルな民主主義国家となる道を選択している。すべてのカンボジア国民には...国王も含め、自らの意見を自由に表現する権利がある」
2004年2月にサンフランシスコで行なわれた同性愛者カップルの結婚式の模様をテレビで見て、前国王は「カンボジアも同じことをすべきだ」とブログに書いています。
「(同性婚に対する)無数の賛同や祝うメッセージが寄せられている...ありがたいことだ。だが一方で、反対や軽蔑、侮辱のメッセージが届くことも間違いない」
その後、この発言は「世界中に数多くの『反動』を呼び起こすきっかけに」なってしまったようです。
シアヌーク前国王は1953年にフランスからカンボジアの独立を勝ち取り、続くベトナム戦争時代には、アメリカ政府にとっては目障りな存在となり、カンボジアで親米勢力がクーデターを起こしたさい、国家元首の座を追われ中国へ亡命。共産主義のクメール・ルージュ党を支持したが、やがてその恐怖政治の矛先が自身に向けられ、一時王宮に幽閉されるなど、波乱の半生を送ってきています。
現在82歳の前国王は、ガン治療のために自宅のある中国で生活を送っていますが、切れ味鋭い発言はまったく衰えを見せていない。西部劇を見て育った少年は、老いてワールド・ワイド・ウェブに夢中になり、西部劇にかけたのと同じ情熱をそれに注いでいるようです。
前国王はフランス語、クメール語、英語を交えたブログを公開しており、世界中から毎日約1,000人の訪問者があるとのこと。
そして、前国王の意見はいまだに当を得たものとして影響力を保っている。カンボジアのマスコミが、貧しくてインターネットを利用できない多くの国民のために、その要約を紹介するほどとのことです。
こちらは老いて盛んな、”変な前国王”といったところでしょうか?
投稿者 messiah : 2005年06月08日 10:29
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