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2005年06月09日
1g≒1円の法則
「大量生産品は、1g≒1円で説明がつく」
こんなことを言った工学部の教授がいました。
自動車であれ、パソコンであれ、家電であれ、多くの製品は、ハードとソフトに分けることが出来ます。
機械部品、電子部品、筐体などが「ハード」にあたり、マイコンを制御しているプログラムなどが「ソフト」に相当します。
デザインなどの目に見えないものは付加価値として「ソフト」に含めてもいいでしょう。
その教授は、入学したばかりの学生に次のように前置きします。
「この話は、大量生産品に限る。特注品にはあてはまない」、と。
ビジネスとして一般向けに大量生産される製品のハードは、どんなものでも1g≒1円で説明できるそうです。
例えば、価格100万円の自動車の重量はおよそ1トン。確かに1gに換算すると1円となります。
自転車ならだいたい1万円。重量は10Kgほどだから、これも1g≒1円ということになります。
イタリア製のレース用自転車は軽くて100万円もするけれど、これは大量生産品ではない。
テレビでも冷蔵庫でもこの計算が成り立ちます。
どんなものでも(ハード部分は)重さに比例している、という妙な法則です。
(そう言えば、自動車の価格が下がった時は、車体が軽くなっています)
しかし、重さが100gの携帯電話はハードとしては100円の価値ということになり、それが1万円で売られていたら9,900円はソフト+付加価値ということになる。
この法則は、携帯やICチップなどの超小型軽量製品においてどこまであてはまるかは疑問ですが、家電製品クラスの大きさ以上のものにはだいたい適用できるようです。
教授は学生に、続けてこう言います。
「君たちは工学部に入った以上、物事をビジネスとして考えなければいけない。そして、その時に自分が作っているものが1gいくらかってことを常に考えなさい」、と。
大胆な発想は、人に強いインパクトを与えます。それが単純であればあるほど印象が深く、心に焼きつくものです。
この教授が考えた妙な法則ですが、製品のソフト部分の価格割り出しに利用されているようです。
日本の自動車やエレクトロニクス製品の輸出額の通関統計には金額と同時に重量が記載されています。
この重量を製品別に合計してそれに1円を掛ける。同じく製品別に合計した輸出金額からその数字を引く。
その差額を、(デザインなどの付加価値も含んだ)ソフトの価格と考えるわけです。
医療機器が40%と非常に高く、一般家電は3%くらいだそうです。
投稿者 messiah : 2005年06月09日 08:40
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