« 課金モデル×広告モデルの激突 | HOME | 情報発信力の高いウェブサイト ベスト30 »

2006年09月04日

予測は当らない 地下鉄消滅に電子お手伝い...

地下鉄電話が発明されて130年という年月が経ちます。(1876年にグラハム・ベルが発明)

今から10年前のことですが、ある新聞に「電話機の発明」から120年経ったことを知らせる広告が出ていました。

よく読むとそこには「電話が発明されて国際見本市に出展された時に、主催都市の市長がスピーチでこう言いました。この電話という発明がもたらす文明への貢献は予想できないほど大きい。おそらく100年後に電話機は、世界の主要都市に1台ずつ配備されるまで普及しているだろう、と予言していた」と書かれていました。

結局、これほど大ハズレな予言はありませんでした。100年後には携帯電話の前身である自動車電話が登場して、電話はパーソナル情報機器になりつつありましたから...

しかし、それにしても予言・予測というのは、なかなか当らないものです。

ところで、46年前の1960年に、当時の科学技術庁が、21世紀初頭(ほぼ現在)の技術を予測していました。

この技術予測は、当時の中曽根康弘・科技庁長官の提案で原子力、医学、宇宙など各分野の第一人者を集めて実施し、「21世紀への階段」のタイトルで出版されました。

1960年を振り返ると...

そして、コーヒー1杯60円、銭湯の入浴料大人17円、カラーテレビ(17インチ)1台42万円 という時代です。

この時の科学技術庁の予測で的中したのは、携帯電話・電子レンジ・人工受精などの54項目でした。

実現しなかったのは、月への拠点となる「地球空港」の洋上設置や、主婦がテープレコーダーに吹き込むとその家事をこなす電子お手伝いさんなど81項目。

特に振るわなかったのが原子力関係で、7項目のうち実現はゼロ。

5ヶ月程度で子供を産み、後は人工子宮に任せるといったアイデア、老化防止のための人工冬眠など、現在の倫理観では受け入れにくい技術も当時は考えられていましたが、全て実現していません。

モノレールが都市の輸送手段の主流となり地下鉄は消滅。「21世紀には地下鉄通りの名前だけが残る」という予測も大はずれ。(これって冒頭の電話の普及率の話にちょっと似ていませんか)

それにしても、「電子お手伝いさん」を専門家が真剣に考えていたのはちょっと笑えるし、夢のある予測も多かったようで、現代の学者が予測する50年後の世界よりはるかに楽しい予測になっていると思います。

物は満ち足りていなかった代わりに、延長戦上の未来を信じて夢が描けた時代...

21世紀初頭を生きる現代人が振り返った時、対照的に夢のような時代だったように思えます。

q.f. YOMIURI ON-LINE

投稿者 messiah : 2006年09月04日 09:00

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://go1by1.com/mt/cgi-bin/mt-tb.cgi/730

コメント

コメントしてください




保存しますか?


▲TOP   ■HOME