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2007年07月22日

あまりにも急激すぎたのかもしれない

「進化」というのは“戦い”の産物であると思っています。

唐突ですが、ダーウィンが提唱した「進化論」を支持する人が圧倒的に多い中、「科学的に考えて進化論は誤りで聖書の記述通り神に創造されたのが正しい」とする意見もあります。

筆者ごときの見識をもって真偽を正すつもりはないのですが、生命誕生から40億年経たとされる現在において、個々の種(生命体の種類)が、自分の生存を賭けて自己改良を繰り返してきた歴史であることは明らかです。

地球環境への順応、敵から身を守る、効率よく獲物をとる...生命進化の過程は、まさに“戦い”の歴史といっても過言でないでしょう。

その戦いを勝ち抜いた「ヒト」という種に、彼らの繁栄を決定づける「二足歩行」という進化が太古の昔に起ったのはよく知られています。

この進化のきっかけが、「エネルギー節約」だという説を裏付ける実験結果が、米国の研究者によって米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表されました。

米ワシントン大学とアリゾナ大学、カリフォルニア大学デイビス校の研究者らは、遺伝的にヒトに近いチンパンジー5頭に、酸素吸入量などを調べる機器を装着し、トレッドミル(ランニングマシーン)の上を歩かせエネルギー消費量を測定しました。

その結果、二足歩行時と四足歩行時における消費エネルギー量について、個体差が非常に大きなことが判明しました。

ある個体は、二足歩行時の方が四足歩行時よりも、より少ないエネルギーで済みましが、ある個体では二足歩行時と四足歩行時で、消費エネルギー量はほぼ同じでした。また、ある個体では、二足歩行の方が四足歩行よりも、より大きなエネルギーを必要としました。

一方、ヒトにも同様の実験を行ったところ、ヒトでは二足歩行時の消費エネルギー量が、四足歩行のチンパンジーの約4分の1と、二足歩行の方が効率がよかったのです。

この結果から、ヒトとチンパンジーの共通の祖先のうち、二足歩行の方が消費エネルギー量が少なくてすみ、より広範囲にエサを探すことが可能となり、繁殖機会が増え、そこから二足歩行する個体が増えたと述べています。

最終的には、二足歩行をするグループと、四足歩行のグループが別れて、別の種になったと考えられると推測しています。

効率化といっても、畢竟(ひっきょう)は生存を賭けた戦いの手段であると考えられます。

かつては、自分以外の種から身を守らなければいけなかった。(恐竜、爬虫類、猛獣etc.)

しかし、二足歩行が可能になって脳が進化し、手を使うようになって異常な速さで強くなったヒトに敵はいなくなった。

ところがいつの間にか、同じ種同士が自己主張をしあい、限られたパイをとりあって相手を滅ぼそうとしているのが現状です。

生命体には、戦うことが本能として刷り込まれているのだろうか。

戦いや争いを好まない人が世界にはもっと大勢いるはず。同じ仲間同士で共食いしないように自制し、他を尊重する心を大切にする“文明”はどこに行ったのだろうか?

ヒトが誕生し、「紀元」という時間軸で歴史が整理され、記録が残っている期間はたかだか2000年であり、生命誕生から現在に至るまでの2,000,000分の1という無限に小さな時間帯にすぎないことを知ると、その繁栄と衰退もまた極めて短いインターバルになることが懸念されます。

ヒトの進化は、あまりにも急激すぎたのかもしれない。

q.f. CNN.co.jp

投稿者 messiah : 2007年07月22日 09:51

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