« 時代にマッチした捜査を展開するFBI | HOME | 「なりすましメール」にご注意を »

2007年09月26日

マナー向上は1年にして成らず

来年の北京五輪で“禁煙五輪”を実現させるため、北京市は10月から市内を走るタクシーの全面禁煙を実施します。

中国では3人に1人が喫煙者とか。(喫煙率は35.8%)

北京市運輸管理局は今年8月に通達を出し、乗客が運転手の喫煙を発見した場合、カメラ付き携帯電話などで撮影し通報するよう奨励しています。

違反した運転手には100~200元(約1500~3000円)の罰金が科されるそうです。

反対に、乗客がタクシーの中で喫煙した場合はどうなるのでしょう?(そっちのケースの方が圧倒的に多いと思いますが)

実は今回「緑色タクシー」と名づけられた禁煙キャンペーンで、その対象は乗客にまで及びます。

ところが、具体的な罰則規定が明らかにされていないという問題があります。

また、タクシー運転手ができるのは喫煙をやめるよう乗客に注意するのがせいぜいで、乗客がそれに従わない場合も下車を強制することは不可能だ、といった運転手側からの不満の声が続出しています。

マナー向上のために付け焼刃で改善するのは、ある意味でこれまで放置されてきた汚点を少しは改善できる効果はあります。また、外国からの観光客を招いても恥ずかしくない国際国への一歩を踏み出すことになるでしょう。

しかし一方で、急な方向転換(容認してきたものを急に取り締まったり、これまでは普通だったことを急に禁止する)が国民にもたらす影響を考える必要があります。

このマナー向上は北京五輪があるから実施されますが、マナーは五輪が終わっても向上させていかねばならないのが国際国を志向する中国の責任。

長い時間をかけて、現在の状況が作られたのだからそれを変えるにも長い時間が必要なのです。

その「マナー向上」を、北京五輪だけをテーマにして、対外的にアピールしているようにしか思えません。国内へのメッセージが発信されていないのです。

中国は、10年規模で広く深く中国全土に「マナー向上」を浸透させる計画を国際公約として掲げて、その通過点である来年の北京五輪までの目標を設定して、着実に計画を果たしていくべきでしょう。

投稿者 messiah : 2007年09月26日 09:40

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://go1by1.com/mt/cgi-bin/mt-tb.cgi/1171

コメント

コメントしてください




保存しますか?


▲TOP   ■HOME