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2005年02月06日

確定申告 今年からの変更点

確定申告の時期が迫ってきて、昨年の申告の時は税務署に何回も足を運んで勉強しながら自分で申告書を作成したのですが、お陰でその時の記憶がまだ薄れていなくて今年は比較的すらすらと申告書を作成できました。ここでは確定申告の基礎知識と今年から変更になった点をちょっと説明します。

確定申告とは何なのか?ということですが、昨年の1月1日から12月31日までの1年間に得た収入とそれを得るために使った費用などを抽出して、あるルールに基づいて個人個人にかかる税金(これを所得税と云う)を自分で計算して税務署に申告することです。申告納税額がプラスなら所得税を税務署に納付し、マイナスなら税務署から払い過ぎた所得税を返してもらうという2つに1つの選択です。(プラスマイナスゼロの場合は申告の必要がない)

確定申告というと複雑で面倒そうですが、所得税の算出方法さえ判れば実はいたって簡単なのです。次表は収入と所得および所得税の関係について表したものです。




収入と所得および所得税の関係
自 営会社員自 営/会社員(共通)備 考
収入の種類売上
雑収入etc.
給与
etc.
家賃、一時金
etc.
ふりはじきそざい:不動産、利子、配当、事業、給与、総合課税の譲渡、雑、一時
(退職、山林)
収入金額控 除必要経費給与所得控除支払を受けた一時金に対して支払った保険金、掛金その収入を得るために支出したもの
所得金額控 除  医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、損害保険料控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除、小規模企業共済等掛金控除、寄付金控除、老年者控除、寡婦・寡夫控除、障害者控除、勤労学生控除、雑損控除・不意の高額支出に対する救済
・将来や万一の備えとしての支出に対する補填
・国策、社会政策による補填
課税所得金額←×税率↓ 
所得税額の計算式
課税所得金額所得税額
0円0円
1,000円~3,299,000円課税所得金額×0.1円
3,300,000円~8,999,000円課税所得金額×0.2-330,000円
9,000,000円~17,999,000円課税所得金額×0.3-1,230,000円
18,000,000円~課税所得金額×0.37-2,490,000円

所得税額控除 源泉徴収税額配当控除、住宅借入金等特別控除、政党等寄付金特別控除、定率減税額、災害減免額、外国税額控除国策、社会政策による補填
申告納税額    

「収入」と「所得」とはどう違うの?と問われてもつい最近まで私も答えられませんでした。確かに、年収とか月収とか言いますし、年間所得とか高額所得者とかも言います。どちらも大きな違いはありませんので同じ意味の言葉として使ってもまず問題は起きません。しかし、確定申告をする時はそうはいかないのです。

上表からわかるように、収入とは働いて受け取ったお金の総額のことです。一方、所得とは

所得=収入-その収入を得るための費用

となります。その収入を得るための費用とは、自営業者ならば必要経費(製造原価、仕入代金、賃金、原価償却費・・・)ということになります。それに対して会社員の場合は「給与所得控除」が必要経費に相当しますが、私も最初はこれがピンとこなかったのです。自営業者と同様に会社員が働く上でも色々な経費を使います。しかしこれは会社に請求すれば支給されるので会社員が収入を得るために要した費用でもない。その費用は会社の必要経費となるのですが、それでは会社員の必要経費とは、どう考えればいいのか。

配偶者特別控除
配偶者の合計所得金額控除額
0円~49,999円38万円
50,000円~99,999円33万円
100,000円~149,999円28万円
150,000円~199,999円23万円
200,000円~249,999円18万円
250,000円~299,999円13万円
300,000円~349,999円8万円
350,000円~379,999円3万円
380,000円0円
380,001円~399,999円38万円
400,000円~449,999円36万円
450,000円~499,999円31万円
500,000円~549,999円26万円
550,000円~599,999円21万円
600,000円~649,999円16万円
650,000円~699,999円11万円
700,000円~749,999円6万円
750,000円~759,999円3万円
760,000円~0円
自営業者は事業収入からその収入を得るために使った必要経費を差し引くことにより事業所得を計算します。その一方、給与所得者に対しても同様に給与収入から給与所得を得るために必要な経費を(会社ではなく)国が認めています。これが「給与所得控除」です。

自営業者の必要経費は実際に支出したものであることが必要ですが、給与所得者の必要経費である給与所得控除は実際にお金を使っていなくても給与所得者に認められているものです。給与所得控除とは会社員に対して一律に国が認めた必要経費のことなのです。(これが削減されると給与所得者にとっては増税されるということになります)

さて、平成16年分(つまり平成17年に行う確定申告)では昨年とは異なるものが1つだけあります。それは配偶者特別控除です。左表の中の赤字の項目が今年からなくなりました。

配偶者特別控除とは、生計を一にする配偶者(例えば、ご主人が申告者ならばその奥さんのこと)の昨年の合計所得金額に応じて所得金額から特別に控除されるものです。少しでも多く控除された方が課税所得金額が減り所得税額も減りますから納税者には有利です。(一番上の表を参照)

今仮に、申告者の奥さんがパートとして働いていて、昨年の収入が80万円だとします。(奥さんの勤め先が発行する源泉徴収票には、支払金額:80万円、給与所得控除後の金額:15万円と記載されます)

つまり、奥さんのパート収入80万円から国が認めている必要経費(給与所得控除)65万円を引いた残りの15万円が所得金額になります。(但し、給与所得控除は収入金額によって変化する。収入金額が651,000円~1,618,999円の場合が65万円)

すると、所得金額15万円は今年の確定申告からは控除の対象にならないということで、残念ながら所得税を減らす役には立たないのです。

一番有利なのは、収入金額で言えば103万円を超えて105万円未満の場合で控除額は38万円となります。配偶者の皆さん!丁度、この範囲に収まるような仕事を探しましょう。

投稿者 messiah : 2005年02月06日 10:58

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