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2005年02月21日

ナタデココでいけるなら寒天でもいけそうな?

1992年頃にデザート好きの若い女性の間で話題になりマスコミが取り上げて大ブームになったあのナタデココ。水(99%)と食物繊維(1%)から出きていて整腸を促す健康食品として、またデザートとして今でも販売されています。
そのナタデココにはコレステロールを下げる効果があるようですが、最近になって電子部品の原価を下げる効果の方にも期待がもたれています。

ナタデココが次世代薄型ディスプレイの基板材料として脚光を浴びています。この研究をしているのがパイオニア、三菱化学、京都大学の産学連携チームです。現在の薄型ディスプレイ基板は強度や耐熱性からガラスが使われていますが、ナタデココはガラスと同程度の強度・耐熱性に加えて材料費が安いこと、そして何と言っても曲げられることが大きな特徴です。

このナタデココですが原料はココナッツの実です。ココナッツの皮の中にあるココナッツ水に水と砂糖を加え、酢酸菌を入れて発酵させて表面にできた膜を取り出したものがナタデココです。

次世代薄型ディスプレイ基板を作るときには、
 (1) ナタデココを圧縮機でつぶして水分を取って乾燥させる。
 (2) 繊維質だけが残ったナタデココに特殊な樹脂を注入する。
 (3) 繊維の目の間に樹脂が浸透して全体が透明になる。
 (4) 紫外線を照射する。
こうして出来た柔らかな基板に有機EL(※)という発光材料を張り付けると厚さが1mm以下の曲げ伸ばし自在なディスプレイの完成です。

ところで、この製造方法ですが寒天とよく似ているではありませんか。(先日、テレビ番組で「寒天」の話が放送されていたので思い出した)

寒天は、テングサという海草を煮詰めて出来た粘液を乾燥(日干し)させてトコロテンを作り、それを寒い屋外などで寝かせて水分を飛ばして繊維質だけにしたものです。水分の吸収力が非常に高くて、水を加えて90度以上で熱すると固まって、弾力があって腰が強いあの寒天ができます。

ナタデココで作れるのならよく似た材質、製法の寒天でも作れそうです。ナタデココはフィリピン原産ですが国産の寒天ならもっとコスト削減できそうな気がするのですが、研究チームのみなさん、寒天は試してみましたか?.....
多分、「とっくにやっていますよ」という返事が返ってきそうです。

※ 有機EL
有機ELとは、電流を流すと光る性質をもった有機物質(発光体)のこと。発光体を薄いガラス基板上に蒸着または印刷し、電流の強弱を加減することで発光をコントロールする。低電圧でも高い輝度が得られて見やすく、さらに省電力という点でも優れている。発光材料が有機物であるので基板がプラスチックや紙、そしてナタデココなどの曲げられる素材でも使用できる。

投稿者 messiah : 2005年02月21日 07:49

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