« 西武は近江商人にあらず | HOME | ディズニーがメディアを総動員してPRする次の物語 »
2005年05月03日
このシルエットにピンときたら2007年問題ご存知ですね
問題のシルエットは、総務省統計局の「人口ピラミッド」(平成15年10月1日現在)の棒グラフの輪郭を抽出したものです。(by 愛知県のホームページのこちら)
ピラミッド形状は50歳以上の世代だけで、それより下は誰がどう見てもピラミッドとは言えません。あえて表現すれば...上から何かに押しつぶされた家のようです。
その屋根の先端部分にあたるのが、戦後最大のベビーブームに誕生して、受験戦争を生き抜き、ビートルズやグループサウンズに熱中し、日本の高度成長を第一線で引っ張ってきた、いわゆる「団塊の世代」です。
彼らは、基本的には昭和22年(1947年)生まれから昭和24年(1949年)生まれの人を指し、この3年間で683万人の人口が集中する世代です。最近10年間の年間出生数が平均117万人なので、それに比べると2倍の人口量。
2006年にはこの「団塊の世代」を先頭グループとした50歳代の人口が2,090万人になります。(日本の総人口の16.4%に相当)
そして2007年から、この「団塊の世代」が次々と60歳を迎え、ビジネスの第一線から引退していくことで、様々な社会現象を引き起こすのではないかと懸念されているのが「2007年問題」です。
思えば、”大山鳴動して鼠一匹”だった2000年問題の時は、かなり前からその深刻性がマスコミ等で取り上げられていましたが、社会的影響も騒ぎも何も起こらなかった。(初めに大山が鳴動したから鼠一匹だけの被害で済んだという面はある)
ところが、今度の2007年問題はボディブロー的に社会に影響を及ぼすのではないか、と憶測されています。
何が起こるか?
・ 700万人近い彼らが一斉に引退することにより消費が大きく減退する。 ・ IT業界では大型電算機のメンテナンスを担ってきたベテランSE(システムエンジニア)の退職で基幹系システムに不具合が生じる。 ・ 製造業では「モノづくりの現場を支えてきたベテラン技能職の退職により、技能の伝承が途絶え、日本の製造力が衰える。 ・ しかし、「彼らが年金の支払い側から受け取り側にまわることで、年金負担が増大する」ということを除いては、特に明確な根拠があるわけではない。 (by asahi.com) |
以下は筆者の予想です。
「団塊の世代」はあと数年で定年を迎え、住宅ローンもほぼ完済し、子供も社会人になり教育費の心配もいらない、自由になるお金は潤沢に持っているし、定年を前にしてハードワークから解放されて時間も潤沢にある、おまけに健康で体力が余っている、しかも仕事でも遊びでも高い実行意欲を持っている。 ところが、そうした充実した状況にも関らず、彼らの心は十分に満たされているとは言えない。高度成長時代と共に生きてきた彼らが今日の日本の成長を築いたといっても過言ではない。その彼らが今や時代のお荷物となっているという人もいる。彼らのお陰で年金は破綻するとまで言われたりしている。医療費の自己負担率増加、ボーナスカット、昇給ゼロ、出向、リストラ、解雇、自殺といった厳しい社会情勢が彼らを不安に陥れ自信を喪失させていることは事実。 しかし、2007年問題で日本の企業が団塊の世代を筆頭とするヤングシニア世代の必要性、人財価値を再認識することで、「まだまだ自分たちがいないと社会も企業も立ち行かないんだ」と自信を取り戻させるきっかけとなり、その元気が若い世代に影響を与え、社会の活性化につながる可能性は十分にある。 |
例えば、60歳から新しい人生に挑戦して恋をする人、起業する人などが出てくるのでは?
頑張れ、オジサン!オバサン!(私もお仲間ですけれど...)
投稿者 messiah : 2005年05月03日 14:55
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://go1by1.com/mt/cgi-bin/mt-tb.cgi/140