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2005年05月16日

イグ・ノーベルとギャッツビーに共通する真面目なる変人

昨日のエントリーで紹介したイグ・ノーベル(Ig Nobel)賞ですが、「愚かなノーベル賞」というユーモアを込めた意味で、本物のノーベル賞受賞者を含むハーバード大学やマサチューセッツ工科大学の教授らが書類選考し、「他の誰もやりそうにない、ユーモアと独自性を兼ね備えた研究や開発」に授与される賞です。

米ハーバード大学系のパロディー科学誌「奇想天外な科学年報」などが主催して1991年から実施されており、「生物学賞・物理学賞・学術的研究賞・平和賞・化学賞・数学賞・文学賞・衛生賞・経済賞・薬楽賞」など10部門で構成されています。

授賞式はハーバードのサンダース・シアターの祝賀式典で行われ、受賞者には賞状とトロフィーが贈られます。 

まだ歴史は浅いが、真面目で権威のある賞だということがわかります。ただ、目指しているところが個性的なだけです。

日本では、最近3年連続でこの賞を受賞しています。

2002年平和賞犬と人間の言葉を自動翻訳する「バウリンガル」の開発
2003年化学賞ハトが寄りつかない銅像を調査してカラスを撃退できる合金を開発
2004年平和賞カラオケを発明して人々が互いに寛容になる新しい手段を提供した功績

さて、『華麗なるギャッツビー』という映画の中で、大金持ちの主人公ギャッツビー(ロバート・レッドフォード)が、憧れの女性デイジー(ミア・ファロー)と再会し、既に夫がいるにも関らず、彼女の気を引くために毎日、対岸の豪邸でドンちゃん騒ぎのパーティをはじめるシーンが出てきます。

ギャッツビーという男には得体の知れない不気味さがあり、よくない過去の風聞も流れる。その怪しい過去と不透明な人間性は最後まで(見るものを)引きずっていきます。

デイジーをようやく屋敷に招待したギャッツビーに、夢にまで見たロマンチックな一夜が訪れる。...が、その恋はついに実らず、主人公は突然、悲劇的な結末を迎える。

そしてラストシーンで、主人公が残した日記帳を読んだ身近な人が、彼の意外な人間性を知る.....。(筆者の記憶では、そんなストーリーでした)

 ・ 主人公が崇高な理想を持っている。
 ・ その行動は常人離れしていて、ある種、馬鹿げてさえいる。
 ・ 最後は悲しいエンディング

アメリカ人の好む映画に共通する要素を研究すると、上記の3つに行き着くそうです。(最近はどうか知りませんが)

これらの要素は、現代人にとっては映画の中だけの遠い世界。

ところが、仮想の世界だけでもないようで...。

人々の心には、それをどこかで実現したり体験することを夢見ている部分があるように思います。

一見何の得にもならない事、何の意味があるのかわからない事に、真面目に打ち込んでいる人は変人か、ヘタをすると異星人。

しかし、失われたものをどこかで実現したり体験することを夢見る人たちがいる限り、彼らにも社会的ニーズと出番がある。

『イグ・ノーベル』や『ギャッツビー』に象徴される”真面目なる変人”が突然輝き出すこともある。

投稿者 messiah : 2005年05月16日 08:33

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