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2005年05月21日
産業廃棄物となるか、建築材となるか、は気持ちの問題
真宗大谷派の本山・東本願寺は親鸞聖人によって開かれ、その後4度の火災に遭いますが、その都度建て直され、現在の建物は明治28年(1895年)に再建されています。
東西200m、南北400mの広大な敷地には巨大な伽藍が立ち並んでおり、中でも親鸞聖人の像を安置してある御影堂(ごえいどう)は、幅76m、奥行58m、高さ38m の大きさを誇る世界最大級の木造建築物です。
東本願寺は、2011年に親鸞聖人七百五十回御遠忌(750回忌の法要)を迎えるにあたり、特別記念事業として、明治28年の再建以来110年を経た御影堂の修復に取り組んでいます。
その修復工事で、御影堂の屋根から取り外した瓦17万枚のうち、耐久性が落ちて使用できなくなった瓦が12万枚にものぼりました。
それらは、希望する全国の末寺や門徒に無償譲渡しましたが、それでも10万枚以上の瓦が残ってしまいました。
このままでは、歴史ある瓦が単なる”産業廃棄物”となってしまう。
環境問題の上でも大量の産業廃棄物は出したくない。まして、それが歴史ある瓦とくれば、なおさら...
苦心した東本願寺は、その瓦を建築材として再利用できないかと、トイレなどの住宅設備機器メーカーのINAXに依頼。
それに応じたINAXは、粉砕した瓦、ふき土、消石灰などを合わせて加工した新素材の開発に取り組みます。
そして、吸水性があり、湿気を防ぐ瓦の特性を活かした防湿効果の高い新素材が完成。御影堂の床下剤に利用することになったそうです。
ヒートアイランド現象を抑える効果があるとして、境内の駐車場に利用することも検討中とのこと。
社会的影響を持つ組織(宗教法人)が、必要に迫られたとは言え、環境問題に進んで取り組んだ好事例です。
産業廃棄物となるか、建築材となるかの分かれ目は、それを処理する人の気持ち次第ということでしょうか。
投稿者 messiah : 2005年05月21日 19:06
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