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2005年05月31日

世界は無駄な不節制を意識する必要がある:マータイ

World needs to be aware of its wasteful excesses: Maathai

ノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイ氏(ケニア副環境相)が2月に来日し、毎日新聞・東京本社編集局長のインタビューを受けた中で、「もったいない」という日本語に感銘したという話がありました。

マータイ氏は3月、国連本部で開かれた女性の地位向上委員会で「もったいない」を国際語として広めるよう呼びかけました。

ごみの減量(Reduce)、資源の再使用(Reuse)、再生利用(Recycle)の3R運動のスローガンとして、日本語の「もったいない」を世界に広めるキャンペーンが行われようとしており、マータイ氏は同キャンペーンの名誉会長に就任しました。

名付けて、MOTTAINAI(もったいない)キャンペーン

日本政府も「環境白書」2005年版などに「もったいない」精神を盛り込む方針を固め、環境省が文字を書き込んだ風呂敷を配布するなどキャンペーンに乗り出しています。
(以上、毎日新聞5/28東京朝刊より)

Koizumi Cabinet E-mail Magazine(意訳)によると、

MOTTAINAIの概念

先週金曜日に、私はワンガリ・マータイ教授(ケニアの副環境相)に会いました。 長い間、マータイ教授は植林の促進事業において努力を尽くされ、アフリカおよび他の地域で数々の業績を認められて、昨年ノーベル平和賞を受賞されました。

マータイ教授は、日本訪問中に彼女が如何にしてMOTTAINAIという言葉を学んだかを私に話されました。

彼女は、日本人が物を扱ったりする時にどのように注意を払うかに注目しており、日本の環境保護政策が非常に高度なレベルにあることに言及しました。その理由として、すべての日本人が共有するMOTTAINAIの概念を示したのです。マータイ教授は、アフリカにこのMOTTAINAIの精神を広げたい、と私に言いました。

私はMOTTAINAIの概念の重要性についてのマータイ教授の意見に完全に同意します。初めは、外国人には完全に把握できない概念であろうという思いでしたが、マータイ教授の話を聞いた時、私は、私も世界中でこのMOTTAINAI精神を広げるために最善をつくすべきであるとわかりました。

去年7月のG8海の島のサミットで、私は浪費を抑える社会の創設を提案しました。そして、再利用できる製品は再利用し、余ったものは資源として再生することに、海の島で集まったリーダーたちは互いに協定を示しました。 私はこのアプローチを「減量」、「再利用」、および「再生」の頭文字をとって「3Rs」と呼んでいます。

それはMOTTAINAIの概念と共に3Rsアプローチを世界に広げるという私の意志でもあります。

2005.2.24 小泉純一郎 

この「もったいない」という言葉ですが、日本人なら直感的に理解できるのですが、辞書では「be too good(良すぎる)」というおかしな訳しか載っていません。

適切な外国語の訳がないので、原音に従って”MOTTAINAI”と英字で表すことになったのです。
(※ 欧米の4千以上のサイトで”MOTTAINAI”が使われている)

2050年にはGDP(国内総生産)で、中国やインドが日本を抜くと予測されています。

日本はこの事実を厳粛に受け止めて、将来において、日本が世界に誇れる技術に一段と磨きをかけて対応していかねばなりません。

13億の中国、10億のインドが成長していく過程で必要とされるエネルギーは未曾有の量。

同時に、その廃棄物を少しでも減らすこと、再利用すること、再生することを支える高度な技術が必ず求められます。

日本はこの分野で世界一の技術力を誇ります。

未来において日本が世界をリードできるとすれば、それは日本人のDNAに刷り込まれた「MOTTAINAI」という精神を土台とした技術や産業かも知れない。

若者は、「もったない」を古臭い言葉と一蹴するのではなく、未来を生きるキーワードと考えたらどうでしょうか。

「もったいない」という言葉は若者の間では死語と化し、年配者の専売特許かと思っていたが、もしかすると、流行語になるかも知れないという噂まで...

この言葉が流行語となるのは歓迎だが、流行に流されることだけはないように祈りたいと思います。

投稿者 messiah : 2005年05月31日 08:18

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