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2005年08月29日
癌と闘う「希望のためのブログ」で先を行くアメリカ
全国どこに住んでいても標準的な癌医療の情報を得られるように、厚生労働省は来年度、情報の収集や分析、発信の拠点となる「がん対策情報センター」(仮称)を創設することを決めたそうです。
癌治療に携わる医療従事者への研修なども実施するほか、ネットワークを活用して、癌細胞の画像をほかの病院に伝送する「遠隔病理診断」による診療システムを整備するなど、医療機関の診療も支援するとのことです。
さて話は変わりますが、アメリカでは著名人たちが自分のブログで、癌に関する個人体験談や情報などを発信しています。
- 癌研究の推進を目的としたクリントン米上院議員の短いブログには、ある統計が示されています。それによると、女性のおよそ8人に1人が一生の内に乳癌を発症し、乳癌で死亡する女性の数は今年4万人を越えるとのこと。
- 睾丸癌を克服した米コメディアンのトム・グリーン氏は、自らのブログに「もし(陰部に)違和感を感じたら、恥ずかしがってはいけない。すぐに医者に行きなさい。そうすれば命は助かる。私もそうしたから助かったのだ」と記しています。
- 1968年グルノーブル冬季五輪フィギュアスケート女子金メダリストのペギー・フレミング氏は、「こんなことを言うと変に聞こえるかもしれないが、癌にかかって良かった点もある。私は自分自身についてもっと良く知らなくてはならない。誰も癌の良い面については語らない」と記しています。
- 女優のフランド・レッシャー氏は、自らの子宮癌が2年間も閉経期と誤診されていた経緯について述べています。「女性が発症する癌の多くは、初期の治癒可能な段階では、癌よりもはるかに良性の病気とほとんど同じ症状が出る」と記しています。
- 米ABC Newsのサム・ドナルドソン氏は、癌の診断を受けた後、癌を告白した人々から聞いた話がどれだけ役立ったかについて記しています。
- インド出身の思想家で医師のディーパク・チョプラ氏は、身体に有毒な感情を、如何に体外に放出するかについて記しています。
同氏によると、有毒な感情は「病気をさらに悪化させる」といいます。そして、読者に「有毒な人間関係を、身体の栄養となる関係に変える」ように呼びかけています。
「現実とは、知覚と解釈の選択的行動であるという事実を受け入れるのであれば、人間関係を変える最も有効な方法は、あなた自身の他者に対する見方を変えることだ」と記しています。
これらの著名人によるブログは、Blog for Hope(希望のためのブログ)と呼ばれるYahoo! Healthのキャンペーンの一環で、ほぼ毎週アップデートされています。
そして、各サイトには米国癌学会(American Cancer Society)に寄付を行なうためのリンクが貼られています。
執筆陣には、他にも数多くの著名人が名を連ねています。当然、癌患者や医療関係者以外からの注目度も高くなりますから社会的認知度が向上します。
日本政府(厚生労働省)も、「がん対策情報センター」(仮称)において、医療情報だけでなく、癌と闘っている人たちの体験談などをブログを利用して共有するシステム作りを検討してほしいと思います。
得体の知れない力をもった存在であるゆえに、ブログを上手に活用すれば社会に大きく貢献する可能性があります。
by CNET Japan |
投稿者 messiah : 2005年08月29日 12:30
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