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2005年08月13日

「こんないいことあったよ。医療現場でも」へのメッセージ

慶應義塾大学看護医療学部教授の加藤眞三氏がインターネットに立ち上げた「MELIT(Medical Literacy For Patients)」は、ブログを利用して医師と患者の対話をすすめるユニークなサイトです。

加藤氏は肝臓病が専門の医師で、患者向け「肝臓病教室」を多くの病院に広める活動をしています。

各地の肝臓病教室で使われている教材を共有できるようにしたいとの思いからWebサイトを立ち上げたところ、それを見て連絡をくれた医師や患者が自分のブログを公開するようになり、ネット上の対話が自然発生的に始まったのです。

現在、医師は加藤氏をはじめ6人、患者は7人。

患者の中には、地域で患者会活動を行っている人や、肝臓移植を経験した人もいます。長年の臨床経験を持つ加藤氏ですが、患者の書き込みを読んで改めて気付くことが少なくないと言います。

そして、医師と患者がブログというメディアを介して意見を交換することにより、互いの立場がよりいっそう理解でき、信頼が増すことを実感しているようです。

ブログには、患者同士の自助機能があると言います。「病気になったばかりの患者にとって、先輩患者のブログを読むことが、病気についての正しい知識の習得や不安解消に役立つ」と加藤氏は期待しています。

加藤氏は、「こんないいことあったよ。医療現場でも」というタイトルで、「医療の現場で絶望してしまい、もう病院など二度と行きたくないという人もいるでしょう。そんな人でも、必要のある時に病院にまた行くことができるように。あなたの病院での良い経験を、ご披露願えませんか?」とブログ上で患者に問いかけたりしています。「願う、ゼロではないことを」と最後に結んで...

それに対して、最初にコメントした方は、「無い」とだけ書いて、すぐその後に「(嘘。」と続けて、読んだ医師をちょっと驚かしたりしています。

実際のところは、「無い」と言った方が適切なのでしょうが...それでも、落ち着いて振り返れば「全く無いわけでもない」。そんな微妙な心理を、少し意地悪く、そして直ぐに素直に戻って表現した実に深い一言です。

この短い一文に、医師と患者の信頼関係が形成されている気がします。

その後は、他の患者さんが自分の体験や意見を続々とコメントとして寄せて、賑やかなエントリーになっていました。

さて、患者さんのブログを読むと、自分が患っている病気をはじめ、様々な医療知識を勉強していることがわかります。

医師に面と向かっては言えないことでも、ブログならある程度率直に伝えられますので、医師から見た時に心の動きのようなものが垣間見れることもあるようです。

こうしたブログの可能性を引き出す試みが、ここで紹介した医療分野だけでなく、様々な分野、場面で活かされることを願っています。

by MedWave Open

投稿者 messiah : 2005年08月13日 09:29

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