« 政治家のブログ開設急増は真夏の異変か、怪か? | HOME | 若者のテクノロジー活用 大人から見ると過度の依存 »

2005年08月21日

スピンからカーブへのシフトで埋没技術をキャッチアップ

Googleで検索する(ググる)と835件リストアップされる。Yahoo!で検索する(ヤフる)と2,520件リストアップされる。いづれにしても、あまりメジャーな用語ではないことは確かのようです。

カーブアウト・・・ご存知でしょうか?

米アップルコンピュータ社の大ヒット商品、インターネット上で音楽を配信し、それを外に持ち出すための携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」が教訓となっている、と言います。

この携帯音楽プレーヤーの分野では、ネットワークウォークマンなどの商品を出しているソニーが技術開発面でアップルよりも先行していました。

ところが、どうしてアップルにビジネスの主導権を奪われてしまったのか?

その理由として、ソニーは既存のCDやMD事業を圧迫するおそれのある携帯音楽プレーヤーの商品化に正面きって踏み切れなかったのが原因だと言われています。

「もしあの時、親会社からこの事業を切り離しておけば、親会社の都合に関係なく製品化出来ただろう」とアナリストは分析しています。

その歯がゆい思いを教訓にして、ソニーや日立製作所などの大手企業では今、埋もれた技術や人材を、社外の独立した組織に出して事業化を図る「カーブアウト」という新手法に注目しています。

大手企業が自分で事業化しにくい特許や先端研究は少なくない。これを開発者とともに社外に出し、ファンドなど第三者の出資を得て事業化していくという試みです。

研究者が大企業を飛び出して独立するスピンアウトは、失敗後の再出発が厳しいため数が増えない。社内ベンチャーは親会社の影響力が強くて自由な活動ができない。

その点、カーブアウトは親企業の出資を少なくして、自由に事業化を図る新手法として期待されているようです。

ある程度の規模の会社には、会社からは重きを置かれていないが、将来において化ける可能性を持った技術や、能力はありながら何らかの事情でそれを発揮できずに燻っている人がいるものです。

そんな技術や人材を発掘するためには、モノの価値を見る目(洞察力)が大事になってきます。一介の上司が判断できるような事ではありません。

眼力のあるスタッフを揃えた専門のチームが、部署を横断して、埋もれている技術や人材を発掘するプロジェクト方式が必要となってくるでしょう。

埋没した技術や人材を活かすために、スピン(spin:回転)からカーブ(curve:曲り)へと舵が切られつつあるようです。

by 朝日朝刊(8/19)

投稿者 messiah : 2005年08月21日 09:02

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://go1by1.com/mt/cgi-bin/mt-tb.cgi/262

コメント

コメントしてください




保存しますか?


▲TOP   ■HOME