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2005年08月03日

ブログで書評 老舗書店の新しい試みに注目

毎日数多くの新刊書が刊行されていますが、その中から自分に必要な書籍を選び出すのは至難の業です。

そのガイド役のひとつとして「書評」がありますが、どうしても、新刊書を効果的にプロモーションすることに力点が置かれ、「書評」と呼ばれるものの多くが、本来の目的である「書籍の評価・批評」ではなく「新刊書の面白いところの紹介」になってしまっています。

必要なのむしろ、特定の個人が「その書籍を、どういう文脈で、どのように読んだか」という情報ではないでしょうか。

...ということで、

紀伊國屋書店は、専門家による書評を掲載するブログ「紀伊国屋書店:::書評空間」を開設しました。(現在、8つの書評がアップされている)

ブログでは、個人のプロフィールや、日常のエピソードなどが披露されることが多いので、その書籍がその人のストーリーの「どのあたりに」、「どういうふるまいで」登場したのかという流れを読み解くことができ、個人が「その書籍を読むべきかどうか」を決める際にとても役に立つはず、とのことです。

また、専門家(現在8名)が書くことにより、内容に一定の信頼性を持たせることができ、さらにブログの即時性と双方向性による新しい書評の世界を創造できるという期待もあります。

もちろん「紀伊國屋書店BookWeb」での購入に誘導する狙いもありますが、ネット書店への進出が早かった老舗書店の新しい試みとして注目したいところです。

書評

但し、ブログの特性として「商品、売らんかな」の下心が見え隠れした書評は逆効果になります。そんな下心がなくても長く続けていると知らぬ間に、スポンサーに気に入られるような評価をしてしまう危険がつきまといますが、それはあってはなりません。

ブログを読む人は、投稿された記事に対していかなる場合でも公正と中立を暗黙裡に期待し、また信じています。

むしろ、常に辛口の評価をするくらいの辛辣な気持ちを持って、良し悪しをはっきりと自分の良心で語ることが重要となります。

読者を裏切ると、特に企業の場合、2度と寄り付いてくれないだけでなく、ブログの即時性と双方向性によって大衆からの逆襲をうける結果になります。

ブログは、扱い方次第で天地ほどの差が生まれる、いわゆる諸刃の刃(もろはのやいば)型ツール。その点、十分な配慮が必要でしょう。

この書評ブログ「ブックログ」が、購読者をどこまで自然な形でナビゲートできるか注目です。

by スラッシュドット ジャパン

投稿者 messiah : 2005年08月03日 08:31

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