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2005年08月25日

仕事のことをブログで書くと思いもせぬ危険がある

アルバイトがブログに書いた発言で雇い主の企業が謝罪に追い込まれたり、ブログの内容が原因で最先端のIT企業をクビになったり、大手企業では社員のブログ利用に関する基本原則を設定したり...

ブロゴスフィア(ブログ圏:ブログが作リ出すコミュニティ)の巨大化による影響が思いもせぬ危険を産み出しています。

8月12~14日に東京で開かれたコミックマーケット(同人誌展示即売会)に、米国系ホットドッグチェーンの「ネイサンズフランチャイジーオブジャパン」のフランチャイズ企業が出店しました。

その時、フランチャイズ企業が雇ったあるアルバイトスタッフが、実名で運営している自分のブログに、

などと写真付きで記事を掲載したのです。
(※ オタは、オタクを指すものと思われます)

これを読んだ人が「客をばかにしている」などと掲示板などで反発。その後、ブログは削除されましたが、同社にも苦情が寄せられた模様です。

コミケに参加したある男性は「店員が何を思おうと自由だとは思うが、このホットドッグチェーン全体への印象が悪くなったのは否めない」と話しています。

同社は経緯について調査し、Webサイトで次のような文章を公表して謝罪しました。

ネイサンズのお客様へ
いつもネイサンズホットドッグをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
さて、先日、お客様を不愉快にさせてしまいました、「コミックマーケット」に出店したネイサンズ移動店舗内スタッフによるブログ上の発言につきまして、以下の見解をお伝えしたく、ご一読いただければ幸いです。
「人種の坩堝」ニューヨークから来たネイサンズは、様々な国籍・価値観をお持ちのお客様に長年愛され続けています。
その企業体質は当然わが国におきましても継承されるべきものであり、私共、株式会社ネイサンズフランチャイジーオブジャパンも日々努力しております。
従いまして、今回の件につきましてはきわめて遺憾であります。
「コミックマーケット」をはじめとし、各地で行われる様々なイベントへ積極的に参加させていただいている現状、それぞれのご当地、お客様に歓迎されている現状を省みますと、いかんともしがたい胸中です。
調査の結果、本件は当社ブランドを使用する「フランチャイズ」企業が独自に雇用したアルバイトの極めて不適切な表現が引き起こした事態であり、当社の企業コンプライアンスとは正反対の内容です。
また、当該ブログにつきましては、当社との関わりはまったくございません。
しかしながら、「フランチャイズ」企業を管理・監督する責務をもつ当社といたしましては、本件に類する自体の再発防止に全力を尽くし、お客様から失った「信頼」を取り戻すべく、社員一同、努力いたします。
以上、簡単ではありますが、当社の反省と今後の決意を述べさせていただきました。(原文のまま引用)

このアルバイトも悪意ではなく、どちらかと言えば軽いノリで書き込んだように思いますが、社会人としての自覚と意識がかなり甘かったようです。


アメリカでは、ブログの内容が原因で大失敗した人がいます。

マーク・ジェン氏は検索最大手のグーグル社に1月入社しました。同氏は自分のブログをグーグル社員としての体験を記録する個人的なジャーナルとして利用するつもりでした。

そして、グーグル社の広告部門でアソシエイトプロダクトマネジャーを務めながら、イントラネット、仕事用のノートPC、販売会議、報酬など、いろいろな話題に関して上層部を遠慮なく賞賛したり、批判したりしていました。

同氏は、自分のブログに興味を持つのは主に友人や家族だろうと思っていました。

しかし、このブログが瞬く間に有名になり(1日のユニークビジター数がおよそ6万人に上った)グーグル社内の生活に関心を持っている人が「ブログ界」にたくさんいることに気付きます。

やがて彼のブログは、グーグル社の上司の目に留まり、同社が財務や製品に関して機密情報と見なしている内容をブログから削除するよう求められます。

その後、ジェン氏は1週間にわたりブログを更新しなかったので、ハイテク業界では、彼の運命をめぐって幾つもの噂がささやかれていましたが、ジェン氏はついに入社してから11日後の1月28日付でグーグル社から解雇されます。

ジェン氏の場合は情報漏洩のような気がします。解雇だけで済んだとすればラッキーです。


IBMは、同社の社員が会社関連のトピックに関して自分のブログに掲載する場合は、最善の判断力を働かせ、そこに記された所感や意見が個人的なものであり、必ずしもIBMの公式見解ではないことを明確にするよう勧告しています。

そして、「某有名企業の某元社員」のようなことにならないために、ブログをどう利用すべきかについて、IBM社員の指針となる基本原則を設定したようです。


「地球の生物圏」のことを、英語でバイオスフィア【Biosphere】といいます。バイオスフィアは、地球上のあらゆる生命体が太陽光、大気、水を利用して生活をする閉鎖生態系を意味しています。

ブロゴスフィア【Blogosphere】は、「ブログ圏」(あるいはブログ界)という意味の新語です。

バイオスフィアがその語源になっていると思われますが、ブログは「個人の日記サイト」という次元をとっくに飛び出して、地球上のあらゆる人がネット(網)を利用して情報交流する人工の生態系にまで進化しようとしている。

得体の知れない巨大メディアと化すブログ

情報発信する人は、あくまで責任ある『社会人』という立場で、物事を判断する必要があります。あまく考えていると痛い目に会います。

by ITmedia

投稿者 messiah : 2005年08月25日 09:14

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