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2005年09月24日

生涯にわたる友好関係を築く魔性の箱

「アップル社は、他社が理解していないことを理解していた。つまり、製品に触れる前でさえ、ユーザーと包装の間にはインターフェースが存在するということだ」

「包装に関して、顧客にどのような種類の体験をしてほしいのか?」

アップル社は答える。

生涯にわたる...と。

アップル社が考えるユーザーインターフェイス(※)とは、製品を手に取る前の段階、つまりパッケージを開梱する時から既に始まっているのです。

ユーザーインターフェイスとは?
画面デザインや操作性など、ユーザーがコンピュータと直接触れる部分の使い勝手をいう。直感的で、戸惑ったり、苦痛を感じたりさせないものほど良いユーザーインターフェイスである。

Macintosh(マッキントッシュ)やiPod(アイポッド)などのアップル社製品の愛好家たちは、新しい製品を購入した時、パッケージ(箱)の大胆なデザインや滑らかな手触りから、優美なユーザーインターフェースを堪能する、と言う人が多い。

この魅力は、ユーザーが必要な順番で各部品を箱から取り出せるようにうまく考えられた箱詰めの方法や雰囲気にあります。

iPodのパッケージ中味
by デジタルARENA

そして、中に入っているアップル社製品と同様に、こうした美しい包装材はなかなか手放せなかったりするのです。

ある愛好家はこう言います。「私の仕事場にある本棚を見た人々は、『なぜこうしたものを取っておくのか?』と尋ねる。すると私は誇らしげに、陳列されたアップル社製アクセサリーの箱について語る。「処分するのが間違っているように感じられるのだから、仕方がない」...と。

「捨てるなんて考えられない。シリアル番号を保管する以上の意味がある。私の人生で起こった素晴らしい出来事の記録なのだから」とまで言わせてしまう。

大勢のマックユーザーが製品を開梱する時の写真を撮っています。

アップル社のユーザーは、他のアップルユーザーが同社の新製品の包装を解いているところを写したオンラインの写真ギャラリーに特別な魅力を感じるらしい。

こうした写真にはたいてい、ユーザーが笑顔で、USBケーブルなどを1本ずつ、じらすようにして取り出すところが写されているのです。

本当かどうかはこのサイトを見るとわかります。写真をアップしたその日だけで300万アクセスあったそうです。(ふぅ~~~おそろしや)

こうなると「魔性」の箱...と言っても過言ならず。

包装ですら製品の一部になることを立証したアップル社ですが、そこに、ユーザーとのアップル社の関係を、ユーザーと製品の関係以上として考えてきた独自のブランド戦略があります。

生涯にわたるを目指している企業の信念というか、執念が感じられますね。

by Hotwired Japan

投稿者 messiah : 2005年09月24日 08:38

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