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2005年10月27日

「ビジネス史上最大の復活劇」を彩るエピソード

iCon
q.f. Amazon.co.jp
アップルコンピュータ社CEOのスティーブ・ジョブズ氏の伝記「iCon(アイコン)」に、彼の面白いエピソードが掲載されています。

伝記では、ジョブズ氏を「デザインに強くこだわる人物」として描いています。

それを象徴するのが、家族で「完璧な洗濯機」を探しまわるエピソードです。

ある時、ジョブズ氏は、家族全員で新しい洗濯乾燥機選びに取り組みます。

そして、新しい洗濯乾燥機選びは家族総がかりのプロジェクトになったそうです。

その時に大きな問題となったのは、ヨーロッパ製を買うか、米国製を買うかという点でした。

ジョブズ氏によると、ヨーロッパ製の方がかなり性能に優れ、米国製の4分の1の水しか使わず、洗濯物をやさしく扱うので服が長持ちする。一方、米国製は洗濯にかかる時間がヨーロッパ製の約半分。

「双方のメリット、デメリットについて、家族でしばらく話し合った。話し合いは2週間続いた。毎晩、夕食の席で」

毎晩、毎晩、夕食を食べながら洗濯機について会話する家族も珍しいが...

それがアップルコンピュータの創始者・CEOであるところに、どこか親近感を感じてしまいます。

「通常、洗濯乾燥機に関して議論される点は後回しにした。話し合ったのは主にデザインについてだった」

最終的に、一家はヨーロッパ製のほうを選んだ。

ジョブズ氏はこれについて、「ヨーロッパ製は値段が高かったが、それは単に、米国では誰もヨーロッパ製を買わないからだ」と述べています。

むろん、このエピソードの重要な点は洗濯機そのものではない。ジョブズ氏が、わが子や妻にまで、デザイン重視の教えを広めたという点にあります。

洗濯乾燥機選びは、ジョブズ氏にとって明らかに、普通の人が考えるより楽しい作業だったようです。

ジョブズ氏は新しい洗濯乾燥機についてこう述べています。「ここ数年の間に買った物の中で、家族全員が心から満足している数少ない製品の1つだ。この製品を作った人たちは、開発過程でとことん考え抜いている。こんな洗濯乾燥機をデザインするなんて、見上げた仕事ぶりだ」

続けて、ジョブズ氏はこう言ったそうです...

「ここ何年かの間に、どのハイテク製品に感じたよりも大きな興奮を覚えた」

さて、この「iCon」という伝記ですが、英語のiconには偶像、アイドルなどの意味もあります。

簡単な事実確認のため、同書の原稿が送られてきた際、アップル社はタイトルの変更を求めたのですが、出版元の米ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社がこれを拒否したため、アップル社は、直営小売店の棚からジョン・ワイリー社の書籍をすべて引き上げたという経緯があります。

そのため、アップル社にとってもジョブズ氏にとっても非公認の伝記なのですが、...

「アイコン、スティーブ・ジョブズ:ビジネス史上最大の復活劇」(iCon Steve Jobs: The Greatest Second Act in the History of Business)は、こうした因縁を秘めながらも、内容としては、ジョブズ氏の功績と復活を賞賛する伝記になっています。

q.f. Hotwired Japan

投稿者 messiah : 2005年10月27日 08:39

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