« 日本の政府機関のドメインが国外で取得されていた | HOME | 究極の生体認証は「顔」らしい »

2005年12月08日

音楽の次は映像 世界のコンテンツを侵略するアップル

iPod&iTunes

情報サイトCNET Japanに「携帯ビデオがパッとしない7つの理由」という記事が10月に掲載されていました。

アップルコンピュータ社のビデオiPodがリリースされる直前のことです。その7つの理由とは...

  1. 「ながら観賞」ができない
  2. 画面が小さ過ぎる
  3. 動画はえてして長過ぎる(※1)
  4. どこにでもテレビがある
  5. 繰り返して見たりしない
  6. 簡単に解決できる問題がない(※2)
  7. すでに代替品がある(※3)
注釈
(※1)音楽ならば短時間で数多くの曲を楽しめるのに比べてビデオ映像は1本で少なくとも30分をかけて見なくてはいけないという意味。
(※2)iPodが登場する以前からMP3プレイヤーは存在していたが、容量の少ないフラッシュメモリを搭載していて収録できる曲数が少なくて売れなかった。iPodはハードディスクを採用してこの問題を簡単に解決した。しかし、ビデオはさらに大容量の記憶デバイスが必要となる。これを簡単に解決できる手段はすぐにはない、という意味(だと思う)
(※3)どうしても外出先で見たいビデオがあれば、安価な携帯DVDプレイヤーがある、という意味。

7つの理由は全て、単純明快で誰にでも分かり易い。「ごもっとも!その通り」と筆者はこの記事に頷かされたものでした。

そして10月に、アップルがビデオiPod(アップルでは単にiPodと呼んでいる)を発売するやいなや、たちまち100万本のビデオがダウンロードされたというニュースが飛び込んできました。

しかしその後、この新しいiPodとビデオコンテンツに関するニュースがあまり聞かれなくなりました。

音楽に比べると、7つもの高いハードルを抱えたビデオコンテンツ配信。さすがのアップルも苦戦しているのだろう、と筆者は勝手に思い込んでいました。

ところがサニアラズ、彼らは着々と準備を進めていました。

アップルコンピュータ社は12/6、同社の音楽配信ストアiTunes Music Store(iTMS)からのビデオのダウンロード数が300万本を突破したと発表したのです。

さらに同社は、iTMSで米NBCユニバーサルのテレビ番組の配信を開始したと発表しました。

iTMSは米ウォルト・ディズニー社傘下の米ABCの番組を10月から既に配信しており、アップルはこれで3大テレビネットワークのうち2つを押さえたことになります。

「侵略すること火の如し」ではないけれど、ここぞとばかりコンテンツを押さえにかかっています。

NBCは、現在放送中の法廷ドラマ「ロー&オーダー」や人気司会者のトークショー、人気旧作番組として1950年代の「ヒッチコック劇場」や1980年代の「ナイトライダー」などを配信する予定です。

放送中の番組は放送翌日からダウンロードできて、しかもCMは入りません。価格はABCと同じ1本1.99ドル。

アップルは、顧客が単に好奇心だけでビデオを購入しているのではないことを強調しています。

iTMS担当バイスプレジデントは「ビデオのダウンロード販売は引き続き増加しており、その勢いはスタート時を上回っている。1度購入したユーザーがそれっきり・・・という状況ではない」と述べています。

これで、iTunesで提供されるテレビ番組はあわせて16本となりました。

テレビ局を手に入れるのではなくテレビメディアそのものを引き寄せるようにして取り込もうとするアップルの壮大な戦略...

どこかのアメリカのマネばかりしている国のIT企業とは発想が根本的に違います。

来年も引き続きiPod旋風が吹き荒れそうです。

q.f. CNET JapanHotwired Japan

投稿者 messiah : 2005年12月08日 09:22

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://go1by1.com/mt/cgi-bin/mt-tb.cgi/402

コメント

コメントしてください




保存しますか?


▲TOP   ■HOME