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2006年01月13日
赤ん坊が捨てられる町 IT利用の「命のゆりかご」登場
北イタリアの町・パドバでは先頃、赤ん坊がゴミ箱や公衆トイレに置き去りにされ、寒さで死んでしまうのを防ぐために、「命のゆりかご」が設置されました。
イタリアでは毎年400人の新生児が捨てられて、その数は毎年10%増加しているといいます。
古くは1400年代から1888年まで、女性たちはパドバのオニサンティ教会の正面にある台に赤ん坊を置き去りにしていたそうです。
この台は回転式になっていて、望まれずに生まれてきた赤ん坊をここに載せ、今後はまともに暮らせることを祈りつつ回すと、修道女たちが運営する孤児院に収容される、というシステムだったそうです。
それから時を隔てた現在でも、同様な状況が繰り返されているのは皮肉です。
但し、IT(情報技術)を基盤にしているところが昔と異なります。
通りに面したこの「命のゆりかご」の金属製のフタを誰かが開けると、上の事務所で警報が鳴り、24時間体制で待機しているソーシャルワーカーに知らせます。
母親が赤ん坊を中に入れると、2分後に重量感知センサーが働いて、さらに大きな音で警報が鳴る、という仕組みです。
赤ん坊が入れられると、箱の保温システムが作動すると同時に、最寄りの救急サービスに通報されるシステムになっています。
「命のゆりかご」は、人工妊娠中絶に反対する団体「命の活動(Movement for Life)」が2005年に寄贈した6台目のもので、特別製ゆりかごの価格は6300ユーロ(およそ87万円)とのこと。
「命の活動」によると、このプロジェクトで最も時間がかかって大変だったのは、装置の設計ではなく、設置場所を見つけることだったと話しています。
「約6年間にわたって、色々なところと交渉をしてきた。病院は受け入れてくれなかった。それで結局、いつの時代にも赤ん坊が置き去りにされていたところへ戻った」
ITが不幸な赤ん坊の命を守ってくれるのはいいのですが、赤ん坊を中に入れようとする母親に一声かけて、身の上話を聞いてあげる”心のケア”も必要なんでは?と思ったりします。
q.f. Hotwired Japan |
投稿者 messiah : 2006年01月13日 09:46
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