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2006年01月31日
絶滅危惧種となったフィルムカメラ
"デジタルカメラ"なるものが世の中に出現した初期の頃、単に「カメラ」と言えば、当然ながらフィルムカメラ(スチールカメラ)を意味しました。
デジタルカメラが誕生した当初はフィルムカメラ愛好家から見れば、それは玩具(おもちゃ)として目に映ったことでしょう。
デジタルカメラが、フィルムの銀塩方式による精微さを表現できるようになるには、この先、長い年月がかかると思われていました。
そして、ある人にとっては長い年月かも知れない、またある人にとっては「あっ」という間かも知れない。
その人それぞれの約10年の時間が経過して。。。
ついに、デジタルカメラは「カメラ」の代名詞になりました。(今は専門店に行っても、「フィルムカメラ」と特定しないと通じないでしょう)
一眼レフもほとんどデジタル化されました。
ニコンは2機種を除いてフィルムカメラの生産を中止し、新規開発も停止...
コニカミノルタホールディングスはカメラ事業から撤退...
長年のフィルムカメラ愛好家の人たちにとっては寂しい限りでしょう。
ところで、そんな絶滅危惧種のフィルムカメラを「今後も生産を続ける」と宣言したメーカーがありました。
現社長の次期経団連会長就任が決まっているキャノンです。
同社専務によると、「売上高は減っているが、非常に根強いマニアもいる。引き続き製品を供給したい」と語っています。
但し、同社の2005年のカメラ事業の売上高8,800億円のうち、フィルムカメラ(オプションを含む)の割合は17%に過ぎません。そのため、開発費・技術者数ともに縮小傾向にあるとのこと。
しかし、「他のメーカーが止めるなら我が社も...」という企業ロジックでないところがさすがはキャノン。
マニアにとって、国内大手としては最後の砦となりました。
q.f. 朝日朝刊1/31 |
投稿者 messiah : 2006年01月31日 09:01
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