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2006年02月09日

グーグルはマイクロソフト潰しの勝負に出たのか?

Googleツールバー今から10年前、"ソフトウェアの巨人"米マイクロソフト社は世界中のPCメーカーに対して、Windowsの絶大な影響力を行使して、一般消費者向けに販売する新しいパソコンに自社ソフトをプリインストール(出荷前にPCにインストール)する実権を握っていました。

購入したパソコンに、ソフトが予めインストールされていれば、ユーザーがその多くをわざわざ入れ替えることがない事を読んでいたのです。その代表が、インターネット閲覧ソフト(ブラウザ)のInternet Explorer(IE)です。

これは、マイクロソフト社が1990年代後半に、ブラウザの草分けであるネットスケープ・コミュニケーションズ社を締め出すために使った手段で、その後、独禁法訴訟に発展していきます。

しかしここに来て、マイクロソフト社のお株を奪う動きが始まろうとしています。

それは皮肉にも、この戦略の老舗であるマイクロソフト社自身の地位を揺るがす可能性をはらんだものです。

世界でも最も急成長している企業・米グーグル社は、これまでは(他のIT企業と比べると)技術力を売り物にした、どちらかというと「政策」よりも「新技術開発」で評価のある異色の企業です。

そのグーグル社が、業界の覇権を目指すかのように、具体的"政策"を打って出てきました。

グーグル社は世界最大のPCメーカー・米デル社と組もうとしています。

デル製パソコンに、グーグルのソフト(ウェブおよびデスクトップ検索ソフト)をプリインストールして出荷する計画が進んでいます。(両社とも、その実験を進めていることを認めています)

匿名筋の話では、入札でグーグルがマイクロソフトに勝利し、ヤフーが手を引いた後、グーグルのソフトを最大1億台の新しいデル製パソコンにプリインストールする内容の独占交渉を両社間で進めているそうです。

1億台!!!

この商談が成立すると、痛いのはマイクロソフト社です。同社にもグーグルと同様のソフト(ウェブおよびデスクトップ検索ソフト)があり、今までのマイクロソフトなら労せずに手に入る収入が、煙のように消えてしまうからです。

グーグルの戦略は、正に10年前のマイクロソフトの戦略に他ならない。

技術力では卓越した能力を持つ企業でも、政策は「誰もが考えるのと同じレベル」というのは寂しい話ですが、ある意味で、グーグル社は勝負に出たのかも知れません。

グーグル社の世界的人気は、同社が大部分の顧客を無料で獲得したことによります。

ところが昨年末の決算で、グーグル社の業績は当初の予想を下回り、快進撃に水を差すかのごとく株価が下がったのです。

だからと言って、グーグル社に成長神話が崩れる事への"焦り"が生まれたとは考えられません。

しかし、何か急いでいる風にも見えるのです。

グーグル社がデル社にどれほどの前金を払うにしても、今後数年で「Google」のウェブ検索結果に表示される広告を毎回クリックしてグーグル社に利益をもたらしてくれる膨大なユーザーを取り込み、この資金を取り戻すことが出来るかどうかは、さすがのグーグル社にとっても大きな賭けになる、と言われています。

この勝負(賭け?)の行方は、規模が半端でない。

業界を巻き込んだ大きなうねりとなって広がっていく気もします。(今後、要観察です)

q.f. ITmedia

投稿者 messiah : 2006年02月09日 08:55

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