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2006年05月04日
仇敵を盾にとって攻勢をかわしたアップル
アップルコンピュータ社CEOのスティーブ・ジョブズ氏は、タフネゴシエイター(交渉上手)としても知られています。
そして、その実力をいかんなく発揮しました。
先日、アップルが運営するインターネット音楽配信ストア(iTunes Music Store)の次期契約において、世界音楽大手4社との間で楽曲販売契約の更新が行なわれました。
この時、レコード会社側(Universal、SONY BMG、EMI、Warner Music)は、iTMSの一律価格体系を廃止させようとしました。
音楽世界大手の内、Universalを除く全社は、売れ筋アーティストの楽曲から最大限の収入を得るために、価格に差を付けさせようと圧力をかけました。
しかしジョブズ氏は、音楽業界を荒廃させていた不正ダウンロードからコンシューマを引き離すためには、一律価格(米国で99セント、英国で79セント、日本で150円)での楽曲販売が不可欠だと力説して、「値上げしたいというのは、強欲になっているということだ。値段が上がれば(コンシューマは)海賊版に戻ってしまい、誰もが損をする」と、各社の要求をはねつけたようです。
結局、音楽会社側は降参。従来通りの価格体系でいくことになりました。
iTunes Music Storeは、米国で約80%の市場シェアを握り、欧州でもほとんどの市場でリードしています。
さらに、世界のデジタル音楽販売は2005年に、11億ドル規模へと2倍以上に成長し、業界の売り上げの約5%を占めるに至っていることが背景にありますが、ジョブズ氏の交渉力が他を圧倒したと言っていいでしょう。
最近、アーティスト側から、アーテイストの取り分(マージン)を上げるように音楽会社に求める動きが強くなっていて訴訟まで起きています。
音楽会社はそのサヤをネットショップに当ててきたのですが、今のアップルの占有状態では、所詮は返り討ちにあうのが目に見えています。
ジョブズ氏は、腹の据わった人物ですが、交渉上手でも有名。
今回は、音楽業界を長年苦しめ、売上を減少させてきた憎き“違法ダウンロード”をうまく盾にとりましたね。
q.f. ITmedia |
投稿者 messiah : 2006年05月04日 08:45
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