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2006年06月29日
ウェブという名のパラダイム破壊者
アメリカのインターネットサイトに、日本のテレビ番組の映像が無許可で大量に投稿され、問題となっています。
筆者もアクセスしてあれこれと見ていると、日本語でテキスト検索した結果の映像がどんどん出てきます。(知らぬ間に、半日ほど見てしまいました)
NHKの教育番組のお絵かき歌、ワールドカップの決定的失敗シーン、有名タレントが教祖に誉められ涙するビデオ、あんな人、こんな人の知られざるカット、カット...カット!
問題となっているのは、登録(無料)すれば誰でも動画を投稿・視聴できるアメリカの動画共有サイトYouTube(ユーチューブ)です。
同サイトによれば、世界中のユーザー600万人に、毎日約5000万本の動画を提供しているそうです。
1日の閲覧数は2億件に達し、毎日約5万本の動画が投稿されるということです。
Webの世界では、このYouTubeのように、突然現れてあっという間に億単位のアクセスを稼ぐベンチャーが生まれます。
昨年暮れ頃から、日本のバラエティ番組やアニメ、過去の番組、放送事故のシーンなどの投稿が目立ち始めました。(投稿者の大半が日本人で、個人的に録画したものを投稿している)
つまり、日本国内では著作権違反となる行為が、海外のコンテンツ共有サイトを利用すれば、国内にいながら何の制約もなく利用できるという、インターネットの国境を越えた普遍性を逆手にとった行為なのです。
NHKでは4月頃、「紅白歌合戦」や「おかあさんといっしょ」などの映像が投稿されました。NHKはYouTubeに対して削除要請を行ないました。
YouTubeは該当する動画をすぐに削除しましたが、動画は簡単にコピーされ、次から次に投稿されるのできりがありません。
個々の映像ごとに削除要請をせねばならず、サイト全体を監視するのは物理的に不可能、と悲鳴を上げています。
同様に、昨年暮れから数回、削除要請しているフジテレビも「バラエティ番組の1コーナーだけを投稿されるなど、極めて断片的で、それが自分の局のどの番組なのかを特定するのも難しい」とのこと。
日本テレビなども対応を検討中で、各局の間で「個別ではなく、まとまって対処すべきだ」との意見が強まっています。
一方で、投稿された番組が“世界”に意外な影響を及ぼしているそうです。
「伊東家の食卓」(日本テレビ系)で紹介された「Tシャツを一瞬でたたむ裏技」は、海外のユーザーに衝撃を与えたようで、彼らが自ら裏技を試している動画を投稿しています。
また、NHK「ピタゴラスイッチ」の「アルゴリズム体操」をまねして楽しむ若者たちもいます。
最近では、自作で英語字幕をつける日本人投稿者までいるそうです。
放送各局は、「番組はさまざまな権利のかたまりであり、放送局としての権利、著作権者の権利を守っていく必要がある。番組が著作物であることを理解してほしい」と訴えています。
ウェブ...
時としてそれは、パラダイムに牙を剥く恐るべき破壊者なのです。
q.f. iza |
投稿者 messiah : 2006年06月29日 07:45
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