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2006年08月14日

ノーケータイ会議のすすめ

管理注意欠陥症候群(MADS:management attention deficit syndrome)と呼ばれる病気があるそうです。

現代病...あるいはIT依存症というべきか。多くの場合、携帯電話やPDA、スマートフォンなどのモバイル機器がその症候群を引き起こすトリガー(引き金)になります。

モバイル機器を使用する表向きの目的は生産性を高めることです。

ところが実際には、その機器が受信するメールや電話などに注意力が集中して、かえって生産性を損なうことになってしまうケースがあります。

そして、損なわれるのは生産性だけではなく、面と向かって直接話をできる会議の場でまで、モバイル機器を手放せないようになるとコミュニケーションの円滑性も損なわれるのです。

会議などの最中に、携帯電話が着信すると反射的に席を立って、物理的・精神的に別世界に移動して携帯通話を優先させる光景はどこに行っても見られます。

こんなことが実際にあったそうです。

マネージャーが集まったある会議の席でのこと。「生産性の改善のために効率的に技術を組み込むこと」をテーマに話をした人物が、自分がBlackBerry(カナダ製携帯端末)と2つの携帯電話で計16個もメールアドレスを持っていることを上機嫌で披露していました。

この人物は、自分が日頃いかに大量のメールを処理しているかを自慢しだしました。

彼は毎日450通程度のメッセージを受信し、4時間かけて、そうしたメッセージのチェックや返信を行っていると言いました。

45分間のスピーチの間、この人物はBlackBerryを一度も手放さず、画面を確認するのに話を3回中断し、返信を打つために話を1回中断しました。

その間ずっと、彼はこの行為に対する周囲の反応、つまり完全な嫌悪感に気付かずにいたのです。

彼がようやくそのことに気付いたのは、プレゼンテーションの最後になって、この会社の社長が出席者に対しこう言った時でした。

「彼に拍手する代わりに、携帯電話でお礼のメッセージを送ろう」と。

この人物は重度のMADSだったようです。

MADSを発症した患者は、常に「うわの空」で「不注意」であるため、逆に生産性とか効率とかを下げてしまう。

会議の時はモバイル機器を使えない状態にして、完全に会話のみに集中する環境を作ることが必要なのです。

早く要点をまとめて結論を出さないと、重要な得意先からの電話連絡が受け取れない、という焦りと危機感から、会議の効率はかえって高まるはずです。

投稿者 messiah : 2006年08月14日 08:50

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