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2006年10月17日
「パスワードの壁」につきあたる遺族の不幸
サンフランシスコの著名な詩人で、世界中にファンがいるWilliam Talcott氏が、骨髄がんのため亡くなった時、Talcott氏の娘は同氏の知人の大半にその死を知らせることができなかったそうです。
何故なら、Talcott氏のメールアカウントとオンラインのアドレス帳がパスワードでロックされていたからです。
誰にでも起こりうることなのに、自分が死んだ後のことまではほとんどの人が配慮していないものです。
しかし、残された遺族にとってこの「パスワードの壁」は厄介な問題であり、最近問題になってきています。
生活と深く関連したもの、アドレス帳、予定表、財務情報などの管理をオンラインに移行する人たちが増えていますが、彼らはフォルダやデスクトップに生前しまいこんだ情報を2度と復元できなくなる危険を冒していることになります。
Talcott氏が契約していたプロバイダーのYahoo!は、プライバシー保護法の規定により情報を教えることはできないと言っているそうで、Talcott氏の娘は「父は死んだのだからそんな理屈は通らないと思う」と反発しています。
サンフランシスコの財産相続専門弁護士は「オンラインに存在する情報にアクセスするためのパスワード全てを遺産相続書に明記しておくようクライアントには勧めているとのことです。
Yahoo!以外の大手事業者の対応は次の通り。
- Googleは、Gmailユーザーが亡くなった時、その人のメールアカウントへのアクセスを要求している人が、死亡証明書とそのアカウントへの委任状を所有していればアクセスを許可するそうです。
- AOLは、財産相続の面倒さを考えると、家族の誰かが事前にパスワードを聞いておくか(オンラインアクセス、バンキング、株など)主なアカウントのパスワードを信頼できる友人か弁護士に託しておいたほうがよほど簡単だと述べています。
- Microsoftは、近親者ならその関係が証明され次第、亡くなった方のWindows Live Mailアカウントの内容をCDまたはフロッピーディスクにコピーしたものを提供するそうです。
人間は生まれたら必ず死ぬ...それは誰でも分かっているのですが、死に向けての備えのために計画的に行動する人は極めて少ないと思われます。
自分が亡くなったことを想定すると、遺族が必要とする情報の扉を開けるパスワードだけは、信頼できる人(家族など)には教えておく方がいいかも知れません。
q.f. CNET Japan |
投稿者 messiah : 2006年10月17日 07:15
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