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2006年11月09日

未来に行けなくなったタイムマシン

平成8年に、ソフトバンクの孫社長と、米メディア大手のニューズ・コーポレーション会長ルパート・マードック氏が、テレビ朝日買収を目指して株式取得でコンビを組んだことがありました。(マスコミは騒然となったが、結局この目論見は失敗に終わった)

そして今回、この往年の名コンビが復活しました。

ニューズ・コーポレーションは11/7、ソフトバンクと提携してニューズ傘下のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)世界最大手MySpace(マイスペース)の日本語版サービスを同日始めたと正式発表しました。

両社は今月中旬、日本語版サービスの運営会社「マイスペース」を折半出資で設立する予定。準備金を含む資本金は11億8000万円。

しかし、既にこの事は予測されていました。
数週間前に日本語表示のMySapceが突然画面に出て、その後出なくなった事件があり、MySpaceの日本進出は広く知られていたのです。

だから、ご本人たち(このお二人)が期待していたほどのインパクトを外に向けて発することはできなかった。(1年前に発表していたらもう少しインパクトはあったでしょうが)

二人は共に並んで記者会見に臨み、マードック会長は「日本でもネット文化が発達しており多くの支持が集まると信じている」と述べ、孫社長は「消費者が自由に表現できるマイスペースは日本にこれまでなかったタイプのSNS」と説明しましたが、なぜか二人ともさえない表情に映りました。

国内では、570万人の会員をもつmixi(ミクシィ)の市場にどう対抗するか、アメリカNo.1が日本でもNo.1になれるという確たる方程式はありません。

携帯電話ポータビリティ制度による顧客争奪線の緒戦で失敗、その事業を支えると期待していたポータルサイト(Yahoo!)事業の将来に暗雲、株価の長期低迷...

ソフトバンクにとっては、厳しい状況がオンパレード。

何かV字回復のきっかけとなるものを模索しているようです。そこに、支配力のあるアメリカ産の事業を引っぱってきた。(これがタイムマシン経営)

しかし、未来に行って未来で発展している事業を現在に持ち帰るのではなく、過去に行ってしまったのかも?

そこには過去に発展していた事業があったので持ち帰った。

二人の表情の冴えなさは、そんな現状をどこかで感じているからかも知れません。

投稿者 messiah : 2006年11月09日 07:21

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