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2007年02月23日

信頼性は時間軸とともに変わる

インターネットでホームページなどを閲覧していて、「この言葉の意味がわからん」という時には、てっとりばやく検索を利用しています。

“〇〇とは”といった入力をするとほとんどの場合、検索結果が大量に表示されます。

しかし、本当に知りたいことは1つなので大量に出てきても元来は意味がないのです。

そこが現状の検索エンジンの限界なのですが、仕方ないので検索で上位に表示されたものをいくつかピックアップしています。

そんな中で、ほとんどと言っていいくらいに上位に出てくるのが、オンライン百科事典Wikipedia(ウィキペディア)上に掲載された情報です。

情報というのは、検索の上位にくるから信頼できるとは限らない。それを裏付けるような事件が起こりました。

米バーモント州のミドルベリー大学・史学部で、日本史の講義をもつニール・ウォーターズ教授が昨年12月の学期末テストで、二十数人のクラスで数人が島原の乱について「イエズス会が反乱勢力を支援した」と記述したことに気づきました。

「イエズス会が九州でおおっぴらに活動できる状態になかった」と不思議に思って間違いのもとをたどったところ、Wikipedia(英語版)の「島原の乱」の項目に行き着いたのです。

Wikipediaに基づいて答案を書いたと思われる例は以前からあったそうで、「大変便利で、調べごとの導入に使うことに全く異存はないが、一部の学生は書いてあることをそのまま信じてしまう」と教授は言っています。

同大史学部では1月、「学生は自らの提供する情報の正確さに責任をもつべきで、Wikipediaや同様の情報源を誤りの言い逃れにできない」として引用禁止を通知したそうです。

学生の多くは納得しましたが、「教員が知識を限定しようとしている」という不満の声も出たようです。

この事件をニューヨーク・タイムズ紙が取り上げ、Wikipedia上の「島原の乱」は即日、内容が修正されました。

Wikipediaの創始者のジミー・ウェルズ氏は「慈善的に人間の知識を集める事業であり、ブリタニカと同様以上の質をめざして努力している。ただ、百科事典の引用は学術研究の文書には適切でないと言い続けてきた」と話しています。

負の面だけで見ると、「烏合(うごう)の衆(しゅう)が作るものは信用できない」という偏った見方が生まれます。

しかし、正の面で考えると、間違いは即座に訂正される-その即時性は評価に値します。これがオンラインの、集合知の良さなのです。

この事件が、権威ある“オフライン”の百科事典で起きていたらどうなったか?容易に想像がつくと思います。

「Wikipediaの信頼性は時間軸とともに変わる」それを理解して利用すべきです。

q.f. asahi.com

投稿者 messiah : 2007年02月23日 07:27

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