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2007年03月25日

岐路に立つ日本の古典的SNS

ソーシャル・ネットワーキングサービス(略してSNS)、筆者はその存在をちょうど3年前に知ったのですが、まさかこれほど大きな社会現象になるとは予想できませんでした。

友達が友達を招待する。その友達が次の友達を招待する...

こうやって友達つながりで出来ていく人的ネットワークは、不特定多数の人がひしめき合う巨大ネットワークに比べてより安心してコミュニティを形成できる。

これが米国で誕生したSNSのはじまりの姿でした。

時は2002年。スタンフォード大学の卒業生が始めたFriendster(フレンドスター)や、Googleの元社員が開発したOrkut(オーカット)がそのルーツです。(厳密には、1997年から開始されたsix degrees.comが元祖といえるのかも)

2004年。日本ではほぼ同時期にmixi(ミクシィ)とGREE(グリー)がスタートします。

SNSの基本は招待制にあります。

しかし、世界最大のSNS・MySpace(マイスペース)の登場でその枠組みが変化してきています。

MySpaceは、2003年にカリフォルニア大学バークレー校とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の卒業生、南カリフォルニア大学経営大学院出身の男性ほかプログラマー数名が創立しました。

彼らは、アメリカの若者文化の中で大きな比重を占める音楽を中心にすえ、その周りに集まるユーザーが熱狂するようなコミュニティ作りを工夫してきました。

サイトの維持・支援集めのために、これまで多くのパーティーを全米各地(ハリウッド、ジャクソンビル、マイアミ、オーランド、ニューヨーク、シカゴ、ボストン、サンフランシスコ、シアトル、ハワイなど)で開催し、現地のバンドやミュージシャンなどにMySpace にページを作ってもらうよう勧誘してきたのです。

MySpaceは公式発表によると米国の会員数だけで6000万人。2006年11月現在の総ユーザー数は1億2000万人です。(日本人口がスッポリ収まります)

現在でも月に600万人のペースでユーザーを増やし続けていて、マドンナ、U2、ビヨンセ、マライア・キャリーなど300万のアーティストが参加しており、若者に人気が高いのです。

最近になってSNSに2つの流れができています。

1つは、従来の招待制を基本とする古典的SNS。もう1つは、MySpaceやSecondLifeに代表される招待なしで誰でも参加できるオープン型SNSです。

心を許せる者どうしで安心して交流したいのなら前者(古典的)、自由で未知なる刺激を求めるなら後者(オープン型)ということになりますが、そう単純なものでもありません。

既に800万人ともいわれているmixiの世界で、はたして友達つながりで800万人の友達が間接的にできたと喜んでいるユーザーがいるでしょうか。ここまで大きくなると、あまりオープン型と変わらない状況になっているのです。

mixiの会員数は頭打ちになっています。現行サービスで達成できる規模のそろそろ頂上に達したようです。

しかし、もしmixiが方向転換して招待制をやめてオープン制を導入すれば、門外にいるその他多くの人々を誘発して、再び増加に転じることは疑いもありません。

その代わりに、昨年日本に上陸したMySpaceという巨大な黒船と同じ土俵での競争を強いられます。

といって...現状の招待制を維持すれば、いくら新しいサービスを次々投入しても、よほどの革新的サービスでない限り今までのような発展は望めません。

日本のSNSは今、正に岐路にあります。ここで選択をあやまれば明日がありません。

そこで、こんなのはどうですか?

招待制を維持しながら、日本文化を愛する日本人を味方につけて黒船に対抗するという手があります。しかし、幸か不幸か(この場合は不幸)SNSのオーナーは皆一様に若い。(三十代前半)

若いがゆえに、自分がその年になってみないとわからない世界、つまり団塊などの世代の大きな市場を無視している可能性があるのです。

それは、どこかのブロードバンドのCMではないが「間違いです」。

人生経験豊富でインターネットに抵抗なく接している人たち、おそらく1000万人規模のポテンシャル(潜在需要)があるはずです。(団塊世代だけで700万人)

SNSの若い経営者は、積極的に年寄りの気持ちを理解できる年寄りを登用して、きたる高齢化社会にも適応できる新しいスタイルのSNSを構築していってほしいと思うのです。(私も入りたい ^_^;)

投稿者 messiah : 2007年03月25日 08:19

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