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2007年03月26日

大相撲千秋楽 2つの引き技のもつ意味

昨日の大相撲千秋楽の結び、横綱・朝青龍と大関・千代大海の一番は、1秒もかからない速さで朝青龍がはたいて勝ちました。

場内はシーン。唖然とした様子でした。

しかし、朝青龍と白鵬との優勝決定戦が残っている。そっちの方で大相撲を期待したい。だから誰もブーイングは出しませんでした。

中継していた解説者は、「横綱には引いてほしくないですねえ」とか「真正面から受けて立ってほしかった」とか言っていました。

しかし、筆者は朝青龍の「はたきこみ」の勝利に、勝負師の執念を見ました。(ちょっとオーバーか?)

力士の最終目標は優勝。優勝するためには白鵬を倒さねばならない。

しかし白鵬は、朝青龍の総力をもってしても倒すのは容易ではない。

相性がいいとは言え、千代大海との相撲で息がわずかでも上がるようだと後からの決定戦で勝ち目が薄い、と読んだのでしょう。

千代大海の仕切りを見て、勝ち越しがかかった一番とあれば自分の相撲をとるしかない。これは突っ込んでくるな、と読みきってはたいた。見事!

あの一番は、あれで大正解だと思います。勝負師としては。(横綱としては知りませんが)

しかし、その後の優勝決定戦で大きなチョンボをしてしまった。

横綱ではありません。白鵬がです。

白鵬は横綱に挑戦する立場。引き技を使う必要はないどころか、使ってはいけなかった。

実力があるのだから正々堂々と勝負して決着をつければ、負けても次期横綱としてファンもうれしいし、協会も期待するだろうに。

あっけなく土俵に手をついてしまった横綱・朝青龍は、白鵬に向かってニヤッと笑いました。

自分が千代大海をはめた引き技で、今度は自分がはめられて苦笑い、というのは間違いです!(またまたブロードバンドのCM調で失礼)

あの薄笑いは、白鵬に対して「逃げたな。まだ俺がこわいということだな。これからは徹底的に俺が壁になってやる」という、闘争心と意地を包み隠す笑いでした。

白鵬の“はたきこみ”は、目標を失っていた横綱の闘争心に火をつけたと言えます。

投稿者 messiah : 2007年03月26日 20:02

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