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2007年04月03日

失敗したら誉める監督

「失敗をおそれるな」といいますが、そう言っておきながら...失敗した部下を容赦なく叱り飛ばしている上司がいます。

失敗する原因は、能力がないか、真剣にやっていないか、未熟かの三通りが考えられます。

この中で最後の「未熟」な場合に、上司は特に注意が必要です。

例えば、新人(新入生、新入社員など)が失敗したとき。

頭ごなしに叱る人はいないと思いますが、大抵の場合「あ~あ やってしまったか」という表情をして何の教訓も残さないのが普通です。

さて話は変わりますが、甲子園の高校野球も決勝戦まできました。

強豪を退けてここまで勝ち上がってきた大垣日大高校(岐阜)の阪口監督は、選手がミスをしてもいつもニコニコ微笑んでいます。おまけに...

「勝つんじゃないぞ」

「あすの朝、帰りのバスを呼んであるから。徹底的に打たれろ」

...などと、あべこべの事を言ったりして。

阪口監督は昔、強豪・東邦高校監督で「鬼の坂口」と呼ばれるほど厳しい人でした。

それが180度変身して、しかもここまでキッチリと結果を出しています。(仮に決勝で敗れても、その評価が変わることはありません)

この変身ぶりはどこから生まれたんだろう?

ご本人は「無名高校の子供たちにまず、野球を好きになってもらいたかった」と言います。

なるほど!

東邦高校監時代は、勝つことを義務付けられていた。だから重圧がかかっていた。

いつでも一生懸命に勝とうとした。だから、失敗した選手は許せなかった。また、叱ることで自分の欲求不満もはらせた。

そういう世界もありでしょう。

しかし、大垣日大では事情が全く違う。重圧はない。勝つことよりも野球を楽しむことを自分が知った。選手にも楽しんでもらわないといけない。

未熟な人が一生懸命にやっている場合、一番大切なことは、その人を緊張という縛りから解いてあげること、リラックスさせるためにあらゆる手段を尽くすことです。

阪口監督は、スマイル、バンザイ、ガッツポーズでそれを実現しています。

この人、名監督です。

多分、元中日・阪神監督の星野さんが高校野球監督になったら、同じようにするような気がします。

“勝つこと”と“楽しむこと”、本来相反する2つの要素を見事に融合する力を彼らに感じます。

投稿者 messiah : 2007年04月03日 09:33

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