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2005年02月09日

生き返った技術 2次元バーコード

携帯電話にカメラが装備されなければ、現在多くの携帯電話に搭載されているバーコード読み取り機能は登場していません。今やカタログ、雑誌、チラシから看板、ホームページ、商品パッケージにまで印刷されて活躍する2次元バーコードですが、もしカメラ付き携帯電話が登場していなければレガシーな技術となっていたかも知れません。ライバル技術によって駆逐されて...

日本においてバーコードは1980年代にセブンイレブンが全国展開でPOSシステムを導入してから普及に弾みがつき、その後、流通業界に革新をもたらして社会生活に深く浸透した技術です。しかし、これまでバーコードを読み取る機械(バーコードリーダー)は一般家庭にはありませんでした。それはスーパーや店舗などの組織が使う設備でした。手軽に読み取りができない点がネックとなってバーコードの用途はある意味で限定されていました。

ところが携帯電話によってバーコード読み取りが可能になるとバーコードリーダーは”組織が持つ設備”から”個人が持つ道具”へと機能を拡張し、一般用途へと裾野を広げることに成功したのです。技術の適用範囲が拡大するか否かはその技術の生き残りを左右します。

(現在も主流の)1次元バーコードの情報量に限界がきて2次元バーコードが開発された後、同じ1990年代に小型・軽量・低価格化されて登場したのが非接触無線ICタグ技術です。

無線ICタグはその後、SUICAなどの交通カードで実績を上げ、六本木ヒルズなどのビル保守システムに活用され、am/pmなどのコンビニ決済に用途を広げ、その未知なる可能性から一時はバーコードを過去の技術に追いやると思われていました。

影に隠れた感があった2次元バーコードですがカメラ付き携帯電話の力を借りて見事に生き返ります。比較的古い技術であるバーコードが何故、新しいアプリケーションを生み出せているのか。

上述のようにバーコードリーダーが一般に普及したことがありますが、もう1つは、日常生活に溶け込んだ”紙”という媒体を通して流通する情報だからでしょう。活用アイディアさえ捻り出すことが出来れば、後は流通している媒体に乗せるだけで済みます。

カタログ、雑誌などの紙面上に2次元バーコードを印刷してホームぺージへのアクセスを誘導したり、商品パッケージに印刷された2次元バーコードから商品の詳細情報を取り出す。(例えば、玉子パックに印刷された2次元バーコードを携帯電話で読み取って、生産地や賞味期限などの情報をその場で入手する)

こうしたバーコードの用途の広がりを見ていると、暫らくは無線ICタグと棲み分けがながら進展していきそうです。携帯電話というはじめは何の関係もないものとある時偶然関係を持つことによって予想もしない結果が生まれる、バーコードにとってこれは運命としか言いようがありません。

投稿者 messiah : 2005年02月09日 00:00

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