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2005年05月05日
”前提”を見つめ直し疑ってみること
5/2付エントリー「西武は近江商人にあらず」で”西武”を”西部”と表記するミスをしたまま気づかずにいたら、二人の読者からコメントでお知らせを頂き、後で恥ずかしい思いと同時に冷や汗をかきました。
全ての読者の方は当該エントリーを読んだ瞬間に、表記の誤りを認識されたと思います。
あまりにも単純で重大なミスゆえ、ことさら指摘するまでもないと思われた方やそのうち気づくだろうと見守っていた方や様々でしょうが、日々更新されていくブログでは筆者が過去の記事を振り返って読み直す機会は少ない。もし指摘を受けなければ、本人だけ最後まで知らないで終わってしまったかもしれません。
私の住む地域に”西武”の名称を冠する鉄道、デパートなどが少ないため普段から馴染みが薄いことがあり、”せいぶ”とひらがな入力してから変換キーを押して、最初に表示された「西部」という漢字を抵抗もなく受け入れて確定のEnterキーを押してしまいました。
最初に”西部”で漢字を確定してしまうと、その後は辞書の学習機能に任せてしまうので”せいぶ”は機械的に”西部”として漢字変換していく。そうなるともう始末に終えない。他にも数箇所”西武”と表記する所があったが、全て”西部”になってしまいました。
誤りに気づいた時、ふとある言葉を連想しました。「前提」という言葉です。
「前提」。よく使われる言葉です。個々には異なるがそれぞれの組織ごとに”前提”となる条件があって、その範囲で生き、競争しているのが現実社会の側面のように思います。
今回の表記ミスも最初に確定した”西部”という漢字が前提となって、後は何の疑いもなくその誤りを続けていた、前提の怖さを感じたのです。
社会人になると人は、行動を起こす時に何らかの前提を基に考え、動いています。
安全第一という前提もあれば、利益第一という前提もあるでしょう。
先の福知山線の脱線事故でも、JR西日本に安全に対する重要性の認識がなかったとは思いません。しかし、それは形式上のこと。現実は、競合する私鉄との競争に勝って収益を上げることがJR西日本の”前提”となっていたと思われます。
偶然、事故車両に乗りあわせていた運転士が事故後に乗客の救助よりも他に優先させたものがある。それが彼らの”前提”でした。
ダイヤが乱れないように遅れずに出勤すること。(さらに、遅れて処罰を受けたくないという心理も重なる)
事故車両に乗りあわせていた運転士から事故の報告を受けた上司が、そのまま遅れずに出勤するように指示したのも”前提”から抜け出せなかったからでしょう。
前提とは一体何なのか?
多くの人が社会生活を送る中で必ず抱えることになる”前提”。
しかし、ひとつ間違えば人命に関るのが輸送事業。それは誰にでもわかること。他のビジネスや事業とは比較にならないほど「安全」そして「人命優先」という前提を全社員の心髄まで徹底しておかねばならなかったはずです。
自分が普段、行動の前提としているもの見つめ直し、疑ってみて、それが緊急の場合でも崩れることなく機能するか、十分にチェックしておきたいものです。
投稿者 messiah : 2005年05月05日 07:55
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