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2005年05月26日
「無価値なもの」を高額で買うことの驚くべき効果
インターネットから専用プログラムをダウンロードして、ネット上でギャンブルを楽しむ「オンラインカジノ」を運営するカナダのゴールデンパレス・コム社は、実に奇妙な会社です。
マーケティング担当のブラック氏は、無名のゴールデンパレス・コム社を一躍有名なオンラインカジノ会社へと変貌させた、型破りな宣伝活動の仕掛け人です。
彼の手法は『常識外れの買物をして世間の注目を集める』というもの。
オークションサイトの「イーベイ」などに出品されている、一般の人から見ると無価値と思える商品を、驚くような高額で競り落とすという手法で成功しているのです。
例えば昨年11月、焦げた部分が聖母マリアの姿が浮かび上がったように見えるチーズサンドイッチを28,000ドル(約300万円)で購入。
昨年12月、死んだ持ち主の幽霊が取り付いていると言われる杖に65,000ドル(約700万円)を値付け。
3月には、聖母マリアが赤ん坊のキリストを抱いているような形のプレッツェル(小麦粉、イースト菌などで作った生地を棒状やひらがなの「め」の様な形にして焼き上げた食べ物)を10,600ドル(約114万円)で落札。
今月上旬、ヨゼフ・ラツィンガー枢機卿がローマ教皇になる前に所有していたフォルクスワーゲン・ゴルフに約245,000ドル(約2,630万円)を支払った。
同社はこのように、狙った品物を必ず落札し、その時点で即座に落札金額を支払う。
そして、「信じられない」という思いでいっぱいのマスコミ記者たちから電話がかかってくるのを待つのだそうです。
実際、聖母マリアが浮き出たチーズサンドイッチを同社が落札した時、この話題は「ワシントン・ポスト」、「タイム」、英BBC放送などで取り上げられました。
また、ローマ教皇になる前の枢機卿の車の話題は、米NBCの人気番組「トゥデイ・ショー」で取り上げられました。
同社のこうした奇妙な行動は、米マクドナルド社が今年の「スーパーボウル」の広告でパロディー化するほどの話題を作ったのです。
これだけの宣伝効果を生むために同社が使った金額は100万ドル(1億円強)を少し超える程度だという事実が、この宣伝活動をさらに驚異的なものにしています。
オンラインカジノの会社と聞くと、ブログではすぐに”スパム”を連想してしまいます。
ところが意外にも、ゴールデンパレス・コム社のマーケティング方針のテーマは「慈善活動」にあるようです。
野生動物保護協会は4月、同協会のメンバーの1人が発見したティティ属の猿の新種の命名権をオークションに出品したところ、ゴールデンパレス・コム社はその命名権を650,000ドル(約7,000万円)で落札し、この猿をラテン語で「ティティ属のゴールデンパレス」を意味する学名『Callicebus aureipalatii』とします。
野生動物保護協会は「受け取った金額がとにかく嬉しかった」と述べています。売却代金は、ボリビアにあるこの猿の生息環境の保護に充てられるとのこと。
サッカーのヨーロッパ大会「ユーロ2004」の試合中に、デビッド・ベッカム選手が誤ってスタンドに蹴り入れてしまったサッカーボールを同社は35,000ドル(約380万円)で落札。
そして、このボールを持って各国を巡り、当選者はこのボールを蹴ることができるというくじを販売して、その収益金をさまざまな団体に寄付したそうです。
同社の、このようなスタイルを日本で真似しても、”奇人”扱いを受けるだけかも知れませんね。
日本でも「逆転」とか「非常識」といった接頭辞を冠した発想術を書籍などを通じて多くの人が提唱していますが、ゴールデンパレス・コム社の場合、もう、その領域では到底収まりません。
「あいつは馬鹿か!」と一言で言い切ってしまえば、それまでだが...
こんな突拍子のない、奇妙な、そして馬鹿馬鹿しくさえある活動を、真剣に考えて行動していくマインドは”大陸”ならではのものか?
島国には想像も、創造も、できない世界がある。少し羨ましい気がします。
投稿者 messiah : 2005年05月26日 10:40
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