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2005年09月13日
企業ブログの推進はトップダウンが早道
ワークステーション、サーバー、OSなどのトップメーカー・米サン・マイクロシステムズ社では、現在1,500人から2,000人の社員が、会社が運営する企業ブログを活用して成果を上げているそうです。
Welcome to Blogs.sun.com! This space is accessible to any Sun employee to write about anything.
(Blogs.sun.comへようこそ!このスペースは、どんなことに関して書いてもよく、いかなる従業員にも開かれています)
社員の情報交換の場となるこの企業ブログは、顧客からのフィードバックやアイデアを情報伝達する貴重なルートとなっています。
同社は、さらに多くの社員にブログに参加するように積極的に奨励していく計画です。
「他の会社とは違い、当社はブログの内容によって社員を解雇するようなことはしない」と言います。
他の会社というのは、あの有名な大手IT企業のことでしょう。(こちらを参照)
このブログ構想が成功した背景には、自身もブロガーである社長のシュワルツ氏の初期段階からの支援がありました。
当初、サン・マイクロシステムズ社でブログを開設していた社員は少数でした。
その当時は、ブログに対する会社としてのポリシーはなく、積極的にブログを奨励することもありませんでした。
2004年3月、社長兼COOに指名されたジョナサン・シュワルツ氏は、Webテクノロジー・ディレクターを務めるティム・ブレイ氏に企業ブログのポリシーの草案作成を託します。
同年4月、ブレイ氏が企業ブログによって得られる恩恵についてのビジョンをプレゼンテーションしていた時、何人かの社員が手を挙げて「事前の承認なしで公式見解を出すことを禁止しているポリシーがあることを知っているのか」と問い詰めました。
しかし、その時、社長のジョナサン氏は「そのポリシーはもはや妥当なものではない」と言ってブレイ氏を支持します。
それから、社内の様子が変化します。
同年5月、「会社での仕事に関するブログを持ちたいのであれば、会社がhttp://blogs.sun.comのURLでアクセスできるブログを用意する」という案内が全社員に届きます。
企業ブログに参加したのは、当初40人くらいでしたが、徐々に増えていき、現在では会社のプラットフォームで1,500人、さらにブレイ氏のように個人でブログを運営する社員が数百人にまでのぼりました。
同社は、昨年5月に企業ブログ構想を掲げて以来、それほど投資を必要としないこの取り組みから多くの恩恵を受けていると言います。
ブログは、それまでアプローチすることが難しかった潜在顧客を営業マンが訪問するのを助けたりしている。
また、マーケティングの観点でも、ITに情熱を注ぐ社員らに発言権を与えたということによって、同社のイメージが向上するという意義があると言います。
そして恐らくさらに重要なことだが、社員ブログは、そうでなければ得られなかっただろう、顧客からのフィードバックやアイデアを情報伝達するルートとなっているとのこと。
企業ブログをやめさせたり、禁止したりする会社は、多くの恩恵を得られないばかりでなく、社員との関係において問題を深めかねないとブレイ氏は話しています。
「社員が世界に向かって話したり、会社がやろうとしていることを説明することを信頼できないとしたら、ブログ以前に問題がある」ときっぱり。
因みに、同社の日本人社員もこのブログに参加していて日本語で記事を投稿しています。
私のような凡夫は、「企業秘密が漏れないか」と俗っぽい事を心配してしまいます。
by ITmedia |
投稿者 messiah : 2005年09月13日 07:44
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