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2005年10月05日

福袋を潜ませたのには深いわけ?がある

Think different
by nanoblog
アップルコンピュータ社のMac mini(小型パソコン)を今週買った人は、先週販売されていたものより高速なマシンを手にしているかも知れない。

アップル社は、一般のMac miniの中に、処理能力を強化したMac miniを潜ませて出荷し始めたことを認めました。

しかし、新しい高速マシンが入ったパッケージには、そのことを示す記載はありません。

そのため顧客には、自分が買おうとしているものが新モデルかどうかを見分ける方法はない、ということです。

同社は「一部のMac miniには、公開されている仕様よりもわずかに高性能なパーツが搭載されている可能性がある。ただし、公開されている仕様にも部品番号にも一切変更はない」と声明を出しました。

アップルのファンサイトThink Secretによると、一部のモデルには、現行の1.42GHzではなく1.5GHzのプロセッサが搭載されているほか、記録型DVDドライブの高速化や、ビデオメモリの増量、そしてBluetoothワイヤレスインタフェースの強化が行われていると言っています。

専門家が曰く、「なぜ彼ら(アップル)がこんなことをするのか、私にはわけがわからない」

また続けて曰く、「こんなふうに仕様の違う製品を一緒に流通させるべきではないし、またそれを顧客に知らせないというのも良くない」

コンピュータのハードウェア仕様に重要な変更があった場合は、新しい部品(製品)番号が与えられるのが一般的で、PC小売市場の調査担当は、今回の措置は「極めて異例」だとしています。

従来、ある製品をアップグレードして販売する場合、既存製品を割引して流通チャネルにある在庫を一掃させた後でリリースするというのが一般的な方法です。

それを根底から覆す今回の措置について、販売業者間での評判はよくないようです。

では、エンドユーザーから見るとどうでしょうか?

日本で言えば、開けてビックリ!お買い得な「福袋」パソコンといったところです。

しかし、この「福袋」が、実績も経験もあるアップル社の何らかのミスによって偶然生まれたものとは考えにくい。

筆者はそこに、アップル社のしたたかな戦略を感じるのです。

確かに流通、小売業者にとっては顧客への説明が出来ない。その結果、販売チャネルからの反発のリスクはあります。

しかし、「アップルが何をやらかすかは誰もわからない」という独特の社風を、エンドユーザーが理解し納得している可能性は低くないと思います。

否むしろ、アップルユーザーとはそういうThink different(人とは違うことを考える)な人たちの集合とも言える。

エンドユーザーの中には、高性能版に全部置き換わるまで買うのを待とうという人が出てくるかも知れませんし、福袋期待で買う人も出てくるでしょう。

この話がクチコミで広がるとMac Miniの製品かケースかどこかに違いを区別する印はないだろうかと探す人が出てくるかも...

マニアなら、製品を分解して構成パーツの品番やシリアルナンバーで判別しようとする人が出てくるかも知れない。(分解するとサポートが受けられなくなることを承知で)

そして、こうした動きがブログなどで紹介されてネットで広まっていけば、エンドユーザー(マックファン)がMac Miniの広告宣伝部門になります。

最近、ヒット商品に恵まれて勢いづいているアップル社ですから、遊び心と下心を持って、ちょっとした試みとして行っていると見てもおかしくないでしょう。(むしろ妥当な線ではないかと...)

結果的にヒットすれば、販売業者もこの措置を「アップルだから仕方ない」と諦めることでしょう。

アップル社が福袋を潜ませた理由、あなたはどう判断しますか?

by CNET Japan

投稿者 messiah : 2005年10月05日 08:00

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こんにちは() 唐突ですが、コレ、何だかお分かりですか???       ↓ 「なんやこれ?ただの弁当箱やん???」 と思... [続きを読む]

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