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2005年10月06日

ハングリーであれ、馬鹿であれ(第二話)

スティーブ・ジョブズ
10/4の続きです。お待たせしました。(えっ、待ってない?)

米スタンフォード大学の卒業式で、アップルコンピュータ社CEOのスティーブ・ジョブズ氏が、印象に残る名スピーチを卒業生に贈りましたが、その第二話はこれです。

愛と敗北

人生の早い段階でやりたいことを見つけたジョブズ氏は、スティ-ブ・ウォズニアク氏と共同でアップルコンピュータ社を立ち上げます。

その出発点は、両親の家のガレージでした。2人は懸命に働きます。

そして10年の時が流れ、ガレージで2人からスタートした会社は、従業員4000人、売上20億ドルの大企業に成長していました。

ジョブズ氏は、アップル社が大きくなったので自分の右腕として会社を動かせる優秀な人間を雇います。ジョン・スカリー氏です。

ジョン・スカリー氏は、ペプシコーラ時代に、コカコーラvsペプシコーラ戦争でペプシに勝利を導いた営業手腕が認められ、ジョブズ氏に「一生を砂糖水を売って過ごすのか、それとも世界を変えてみないか?」と口説かれて1983年アップル社に引き抜かれます。

ところが、それがジョブズ氏の挫折への幕開けとなります。

最初の1年こそ順調でしたが、ジョブズ氏とスカリー氏の間に、アップル社の将来ビジョンへの食い違いが起こり、対立に発展していきます。

そして、運命のXデー。

二人が決裂する段階になって、取締役会議がスカリー氏を支持し、ジョブズ氏は会社から追い出されます。

「自分が社会人生命の全てをかけて打ち込んできたものが消えたんですから、私はもうズタズタでした」

「数ヶ月はどうしたらいいのか本当に分からなかった。自分のせいで前の世代から受け継いだ起業家たちの業績が地に落ちた、自分は自分に渡されたバトンを落としてしまったんだ、そう感じました」

この事件は世界中に広く知れ渡り、彼は「最も有名な失敗者」という烙印を押されたのです。そして彼は、シリコンバレーを去ろうとまで考えた...

ジョブズ氏がそのどん底から如何にして這い上がったのかは、このスピーチの中では触れていません。

時間の関係があるし、話をしたらキリがないし、おそらく筆舌に尽くしがたいからなのでしょう。(本当はそのあたりを聞きたいところですが...)

彼は続けます。

「ところが、そうこうしているうちに少しずつ私の中で何かが見え始めてきたんです。私はまだ自分のやってきた仕事が好きでした。アップルでのイザコザはその気持ちをいささかも変えなかった。振られても、まだ好きなんですね。だからもう一度、一から出直してみることに決めたんです」

「その時は分からなかったのですが、やがてアップルをクビになったことは自分の人生最良の出来事だったのだ、ということが分かってきました」

「あらゆる物事に対して以前ほど自信を持てなくなった代わりに、自由になれたことで、私はまた一つ、自分の人生で最もクリエイティブな時代に足を踏み出すことができたんです」

その後の5年間で、彼はNeXTという会社を興し、ピクサーという会社を作り、素晴らしい女性と恋に落ちて結婚します。

ピクサーはやがてコンピュータ・アニメーションによる世界初の映画「トイ・ストーリー」を創り、今では世界で最も成功しているアニメーション・スタジオとなっています。

人生には、Xデーもあれば、ラッキーセブンもある。(運命の女神はいつも気まぐれ...)

思いがけない方向に話が進み、アップル社がNeXTを買収します。そして、ジョブズ氏はアップル社に復帰したのでした。

NeXTで開発された技術は現在、アップル社の改革の心臓となっています。

「愛と敗北」...敗北の話はわかりました。それでは”愛”の方は?

ジョブズ氏は言います。

「アップルをクビになっていなかったらこうした事は何ひとつ起こらなかった、私はそう断言できます」

「人生には時としてレンガで頭をぶん殴られるようなひどいことも起こるものなのです。だけど、信念を放り投げちゃいけない。私が挫けずにやってこれたのはただ一つ、自分のやっている仕事が好きだという、その気持ちがあったからです」

「皆さんも自分がやって好きなことを見つけなきゃいけない。それは仕事も恋愛も根本は同じで、皆さんもこれから仕事が人生の大きなパートを占めていくだろうけど自分が本当に心の底から満足を得たいなら進む道はただ一つ、自分が素晴しいと信じる仕事をやる、それしかない」

「そして素晴らしい仕事をしたいと思うなら進むべき道はただ一つ、好きなことを仕事にすることなんですね。まだ見つかってないなら探し続ければいい。落ち着いてしまっちゃ駄目です」

締めくくりに彼はこう言います。

「素晴らしい恋愛と同じで、そういうのは見つかるとすぐピンとくるものだし、年を重ねるごとにどんどん良くなっていく。だから探し続けること」

人生には敗北を味わう事もあるが、後から振り返ると、それさえ肯定してしまえる次元があるようです。しかし、そんな境地に至るには、何と言っても、愛する仕事と愛する女性が必要だっていうことでしょうか。

スピーチはこの後、意外なクライマックスへと突入して行きます。

第二話おわり(続きをお楽しみに...)

投稿者 messiah : 2005年10月06日 08:48

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