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2005年10月08日
ハングリーであれ、馬鹿であれ(第三話)
10/6の続きです。
米スタンフォード大学の卒業式で、アップルコンピュータ社CEOのスティーブ・ジョブズ氏が、卒業生にスピーチを贈りました。
「鳥肌が立つほど感動した」と言う人もいる、その第三話は...意外なものでした。
死
ジョブズ氏は、17歳の時に読んだ本にこんな事が書かれていたと言います。
「来る日も来る日も今日が人生最後の日と思って生きるとしよう。そうすればいずれ必ず、間違いなくその通りになる日がくるだろう」
それは彼にとって強烈なインパクトを与える言葉でした。
それから現在に至るまでの33年間、彼は毎朝、鏡を見て自分にこう問い掛けるのを日課としてきたそうです。
「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?」
それに対する答えが「NO」である日が幾日も続くと、そろそろ何かを変える必要があると自戒したというのです。
さらに彼は、1年ほど前に自分の身に起こった恐怖の体験を語リ出します。
「今から1年ほど前、私は癌と診断されました。 朝の7時半にスキャンを受けたところ、私のすい臓にクッキリと腫瘍が映っていたんです」
医師たちは彼に打ち明けました。「これは治療不能な癌の種別とほぼ断定していい。余命3ヶ月から6ヶ月、それ以上は生きることは望めないだろう」と。
主治医は彼に、家に帰って仕事を片付けるように助言しました。これは医師の世界では「死に支度をしろ」という意味でした。
「子どもたちに今後10年の間に言っておきたいことがあるのなら、思いつく限り全て、なんとか今のうちに伝えておけ、ということです。たった数ヶ月でね。それはつまり自分の家族がなるべく楽な気持ちで対処できるよう万事しっかりケリをつけろ、ということです。それはつまり、さよならを告げる、ということです」
しかし...未だジョブズ氏は生きているはず。先日も日本に来た。あれは影武者か?
彼は続けます。
「私はその診断結果を抱えて、丸1日過ごしました」
「そしてその日の夕方遅く、バイオプシー(生検)受け、喉から内視鏡を突っ込んで中を診てもらったんです。内視鏡は胃を通って腸内に入り、そこから医師たちはすい臓に針で穴を開け腫瘍の細胞を幾つか採取しました」
「私は鎮静剤を服用していたのでよく分からなかったんですが、その場に立ち会った妻から後で聞いた話によると、顕微鏡を覗いた医師が私の細胞を見た途端、急に泣き出したんだそうです。」
<一体何が起こった?>
「何故ならそれは、すい臓癌としては極めて稀な形状の腫瘍で、手術で直せる、そう分かったからなんです」
そして、ジョブズ氏は手術を受け、手術は成功して健康を回復したのです。
正に奇跡ですね。(悪運の...ではなく強運な方です)
彼はこの死と直面した体験を経て実感したことを卒業生に語っていきます。
「こういう経験した今だから多少は確信を持って君たちに言えることなんだが、誰も死にたい人なんていないんだよね。天国に行きたいと願う人ですら、まさかそこに行くために死にたいとは思わない」
「にも関わらず死は我々みんなが共有する終着点なんだ。死はおそらく生が生んだ唯一無比の、最高の発明品だろうと思う」
「それは要するに、古きものを一掃して新しきものに道筋を作っていく働きなんです。今この瞬間、新しきものと言ったらそれは他ならぬ君たちのことだ。しかしいつか遠くない将来、その君たちもだんだん古きものになっていって一掃される日が来る。とてもドラマチックな言い草で済まんけど、でもそれが紛れもない真実なんです。」
「君たちの時間は限られている。だから自分以外の他の誰かの人生を(真似て)生きて無駄にする暇なんかない。それは他の人たちの考え方が生んだ結果とともに生きていくということだからね。その他大勢の意見の雑音に自分の内なる声、心、直感を掻き消されないことです。自分の内なる声、心、直感は、君が本当になりたいことが何なのか、もうとっくの昔に知っているんだから...」
ジョブズ氏は、「大切なことは、あなたの心や直感に従う勇気を持ちなさい」と強調して、「死」を怖れることなく勇気をもって進むことを説きます。
いよいよスピーチは、感動のエンディングへと。。。
第三話おわり(次回、最終話)
投稿者 messiah : 2005年10月08日 09:26
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