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2005年11月29日
人体の一部が鍵となる時代
セキュリティや個人情報保護の観点から、ひとりひとりの個人を識別する科学的な方法として注目を集めているのが、生体認証(またはバイオメトリクス認証)です。
生体認証は、パスワードや鍵といったものがないため、盗聴やなりすましが事実上不可能ということで、現時点でもっとも確実な認証方式とされています。
その中でも、指の静脈パターンを識別する「指静脈認証」が、他の方法と比べて実用化で一歩リードしているようです。
身近な例で言うと、(静脈ではなく指紋での認証ですが)携帯電話に組み込まれています。(ドコモのF902i、F901iS、F901iC、F900iC、F900iT、F900iなど)
指というのは、サイズが小さい上にコントロールしやすいという意味でモバイル向きだと言えます。
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| Flora Se210 |
既にパソコンに外付けする指静脈認証装置は販売していますが、持ち運びが簡単なノートPCに内蔵させてしまいました。
先日開催されたWSA-JAPANで紹介されていましたが、京都市は「どこカル.ネット」という地域健康・医療・福祉情報ネットワークを推進しています。
例えば、独居老人などが外出先で倒れて救急車で運ばれていく過程で、その人の身元を認証し病歴などをデータベースから取り出して搬送先の病院に到着する前に必要な事前処置を行うことで、人命を救ったり、悪化を抑えるというユビキタス社会の実現を目指すプロジェクトですが、ここで使われているのが「指静脈認証」です。
パソコンと接続して使うのですが、指1本を測定するだけですからサイズはとにかく小さい。ポケットに入れて持ち運びできるコンパクトさなのです。
これが、顔や掌や虹彩による認証と比べて「指」(静脈、指紋)が実用化で一歩リードしている要因でしょう。
日本では、指紋で認証するのは”犯罪者扱いにされる”という拒絶反応が予想されるので、指静脈認証になおさら期待が集まっているようです。
正常に認証できる確率は99.9999%から少数以下の9が5桁になるところまで上がっているそうです。(WSA-JAPANにおける日立ソフトウェアエンジニアリングさんの話)
さてWSA-JAPANで、面白いというか突飛というか、そんな質問がパネラーに対して発せられました。
「パスワードなら盗まれても、新しいパスワードに変えれば済むが、指静脈パターンのデータを盗まれたらどうなりますか?まさか、指を変えるわけにはいきませんよね...」
会場の聴取者からクスッと笑いがもれました。
専門家の皆さん(パネラー)も即答できない鋭い突っ込みでしたが...
そこはさすが!独立行政法人 国立病院機構京都医療センター・医療情報部長の北岡氏は次のように回答しました。
指は手足を含めて20本あります。仮に1本盗まれてもまだまだいっぱい指はあります。しかも、2本、3本まとめて認証するような組み合わせを利用するといくらでもリカバーできるのです。
但し、これは笑いをとるためのジョークか、極論を語って「それでも何とかなる」ことを強調したかった、のだと筆者は感じました。
続けて、北岡氏がおっしゃるには...
指紋なら、グミ(お菓子)を指で押えて裏返して認証装置にあてれば、機械を騙すことができるかも知れない。
しかし静脈パターンの場合、指の内部構造であるため複製する手段がない。
つまり、データを盗んでもそれを利用することが現代科学では不可能である、ということでした。
高齢化社会の進行に伴って、人体の一部が鍵となり、様々なサービスを享受する時代が忍び寄ってきています。
高齢者がその主たるユーザーであるならば、生体認証を悪用させないメカニズムとシステムをしっかり構築していく必要があります。
投稿者 messiah : 2005年11月29日 13:53
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