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2005年12月06日

ある寒い朝の出来事

昨日の朝のこと、私は自転車で事務所に向かっていました。(寒かったア。今年一番かも)

後1つ角を曲がれば到着する所の手前まで来て、小学生5~6人の集団とすれ違ったのでした。

上は高学年の大きな女の子、下は1年生くらいの男の子を含む男児・女児たち。(集団登校していたのです)

朝ということもありましたが、(いつもの如く)頭の中もボォーとしていて思考力ほとんどゼロみたいな状態で最終コーナーを右折しました。

すると、何かが目に入った。青い色をした何かが......

道の真ん中に落ちている。

自転車に乗りながら(つまり、前に進みながら)、その青い物体に少し注目してみたのです。

何となくそれは、折りたたみ傘の袋のような気がしました。

しかし、さらに注目するとその袋には動物の絵が書かれていました。

ペダルを踏む私の足は慣性の法則でタイヤを回し続け、自転車は前進していきます。発見して3秒後には角を曲がってさらに10mも行き過ぎていました。

「通行人の誰か落としていったようだなア(お気の毒に...)」

「まだ新しい袋だったけれど、何か動物の絵が書いてあったよなア」

「動物の絵ということは...もしかすると子供が落としたということかなア?」

「子供というと。。。ン!」

随分時間が経って、自転車を止めて振り返りました。

そこにはあの青い物体がありました。

私は昔から変な性格の持ち主で、自分が仕事中であっても、思いついたら反射的に別の行動をしてしまう。おまけにその速度が異常に速い。(その代わりに、なかなか思いつかない頭をしています:ここは笑うところです)

「かなりの高い確率で、さっきすれ違った小学生の持ち物に違いないぞォ」

そして、自転車のペダルを踏みこんで一気にギア(はないが)をトップに入れた!

「今、追いつけば、小学生は助かる」(そ、そんな...オーバーなア)

私の気力は最高潮に達したのでした。

青い物体を手にとってみると、かさ袋でもない、お弁当の袋でもない、それは上履きを入れる靴袋(ほとんど新品)で、動物ではなく可愛い男の子のアップリケが貼ってありました。

「小学生の持ち物に違いはないけれど、さっきすれ違った子供のものかどうかはわからない。しかし、その可能性もまた低いとは言えない」なんてシャーロック・ホームズばりに推理しながら彼らが行ったであろう方向を追いかけたのでした。

しかし、角を曲がっても小学生の姿はない。

「あぁ、判断が遅かったかア...」

次の角を曲がってみた。

10mほど先に集団がまだいた。「やった!」

ここからが難しいのです。今の時代は特に...

怪しい男から声をかけられた時の対処を、学校でも家庭でも昨今の子供は教え込まれている。

その怪しい男とは、”今の私に他ならない”ことを認識した上で行動しなければいけないのです。

先ずあまり近づかないこと。

出来るだけ優しいそうな顔を作って、これまた、優しい声で話し掛けます。(それがかえって怪しいって?:わかってますよ)

「ボクたちぃ...これ落とさなかったぁ♪」(靴袋のアップリケが見えるように前に差し出しながら)

この瞬間、集団の子供たちが互いに目を見合わせて戸惑った表情になったのを私は見落としませんでした。

「あぁ...今、どうしたらいいかドキドキしているだろうナァ」(...と心の中で私つぶやく)

ここで一斉に逃げられたら私は逮捕されるかも知れないと思ったので、さらに最高の優しい顔と声で言いました。

「あ、やっぱりそうだったんだ。......ハイ」とさらに前に差し出しました。

その時、1年か2年生と思われる男児が恐る恐るこちらに歩いてきたのです。

子供がわずかながら心を開いた瞬間でした。(この瞬間に私の仕事は完了したのでした)

差し出した靴袋をこわごわと受け取る男児。

私は次の瞬間を待ちます。。。

男児は消え入るような小さな声で「...すみません」と言ってこちらの顔を見ました。

この時も、死力を振り絞って最高の笑顔を作る私。(シンドイから早く行ってくれぇ~と思いながら)

走り去るように集団に戻っていく少年。

その後に彼らに掛ける言葉を捜す私だが...出てこない。

「怪しいオジサンに声をかけられたら気をつけるんだよ」とは言えないもんね。


広島、栃木で小学校1年生の女児が相次いで殺害される凶悪な事件が発生しています。

学校も親も子供の身の安全を守るために奔走しています。セキュリティグッズが飛ぶように売れている。

「どうしてこんな危険な世の中に...」と思ってしまいます。

「人に親切にする事が大切だ」という教育や教訓は、現代社会では優先されないどころか否定すらされていく感があり、新しい世紀が始まった途端に、モラルは世紀末を迎えてしまっているようにも思えます。

親切という行為が、周りから異様な目で見られたり、周りへの配慮で神経をすり減らすことが少なくともあってはいけない。

それを痛感した寒い朝の出来事でした。

投稿者 messiah : 2005年12月06日 10:06

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