« 2005年01月 | メイン | 2005年03月 »

2005年02月28日

2番手に甘んじたSONY

デジタル三種の神器(デジタルカメラ、薄型テレビ、DVDレコーダー)に関する調査があり、購入希望メーカーのランキングでSONYがいづれも2位に甘んじる結果が出ています。

1位のメーカー
デジタルカメラ薄型テレビ(※)DVDレコーダー
キャノンシャープ、松下松下電器産業

※ 液晶はシャープ、プラズマは松下電器産業が1位

今のSONYの力からして三種の神器の全てで1位なら逆にびっくりするところですが、それにしてもあのSONYに売れ筋商品のトップの座が1つもない、とは少し以前なら想像もつかない話です。

私の身の回りで言うとパソコンはVAIO、PDAはクリエ、デジタルカメラはサイバーショット、ビデオカメラはハンディカム...と主用デジタル機器はいづれもSONYです。

別にSONYファンということではありませんが、5年前にSONYのVAIOを購入してからメモリースティックでデータ交換ができるという理由でいつの間にかSONY尽くめになっていました。(SONYスタイルにまんまとはまったということです)

確かにデザインがよくて斬新なAV機能を搭載したSONY商品には魅力がありました。しかしその後、出てくる商品がどれもこれも同じ戦略パターンをトレースしたものが多かったように思います。戦略も賞味期限を過ぎてパターン化するとマンネリを生じます。

その見極めをどこでつけるのかが難しいところですが、SONYの場合は組織があまりにも巨大になっているためマンネリに歯止めを効かす時期を逸したという感じがしますね。

得意だったAV分野でもiPodにすっかり話題を奪われて苦戦中。1つ歯車が狂うと立て直すのは大変です。今、SONYは威信をかけてトップの座奪回を目指しているでしょうが、過去の栄光と成功体験にしがみつかず挑戦者としての新しいSONYの戦略を構築してほしいと思います。頑張れ!SONY

と言いながら消費者とは勝手なもので、次に購入するパソコンはMacintoshを考えている私です。

投稿者 messiah : 07:55 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月25日

ラテン歌手のコンサートを鑑賞

ヒューマンライフギャラリー「Scene」で行われたラテン歌手・西川 慶(けい)氏のコンサートを鑑賞してきました。同氏はTBSテレビドラマ「七人の刑事」(※)の主題歌を歌った人です。私の父がこの刑事ドラマを毎週欠かさずに見ていて、子供の時に横目で見ていた私はいつの間にかそのメロディを記憶に焼き付けていました。ンーンーー、ンンンンンンンンンンーと言う唸り声(ハミング?)から始まる出だしと、いつになったら歌詞が出てくるのだろうと待っているが唸りっぱなしで終わってしまう変な歌。というのが子供の頃の印象でしたが...

実はその後、西川氏はこの歌に日本語の歌詞をつけてレコーディングをしようとしていたのです。ところが、その直前に番組が終了してしまい結局テレビでは披露できずに終わったという経緯があります。

そして、今は各地で開催するコンサートでその日本語バージョンを本編と合わせて披露しています。日本語の歌詞もなかなか乙なものでした。

西川氏は、発生楽(発生を楽しむという意味)を若い世代に伝授して本格的な歌手を育成する活動のかたわら、ラテン音楽、唱歌、オリジナル曲などを中心にしたコンサート活動をしています。

面白いのは発生方法の考え方で、リラックスして声帯には出来るだけ無駄な力を加えないで最小の力で震わせることが大事だと言っています。

そんな彼のコンサートはヒューマンライフギャラリー「Scene」でこれからも月1回程度行われますので楽しみにしています。

※ TBSテレビドラマ「七人の刑事」
日本で最初の本格的刑事ドラマで、警視庁捜査一課の七人の刑事の捜査活動をドキュメンタリーに描いた作品。赤木主任(堀雄二)、沢田部長刑事(芦田伸介)、杉山刑事(菅原謙二)、南刑事(佐藤英夫)、中島刑事(城所英夫)、小西刑事(美川陽一郎)、久保田刑事(天田敏明)の七人が主役。1961年から1話完結の1時間番組として放送された。この作品は、単に犯人を捕まえるだけのドラマでなく、日本復帰前の沖縄問題や、在日朝鮮人問題といった社会的背景や、犯人に対する刑事の人間性、社会的矛盾から発生する犯罪に対する刑事の葛藤などを描くシリアスな内容であった。根強い人気に支えられて8年も続く長寿番組になった。
(左はドラマの1シーン)

投稿者 messiah : 08:10 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月23日

ラインナップ!受験シーズンの縁起もの商品たち

特に縁起をかつぐ方ではないのですが、義母が高校受験の子供のために写真のような絵馬をかたどったパンをたくさん買ってきてくれました。薄いパン生地の上にチョコレートで「合格」と書かれています。私も今朝、食べました。普通の味でした。見ていた子供が「(受験しない)お父さんが何で食べるの?」と言うので、「一緒に食べたら合格率が上がるかも...」と訳のわからない返事をしました。受験の縁起もの商品もいろいろあるようです。ちょっと紹介しましょう。

(1) KitKat受験生応援パック 五角形(ごーかく)マグカップつき
   言わずと知れた受験縁起もの商品の火付け役となったネスレのチョコレート。
   キットカットから、受験戦争にきっと勝つという意味です。(説明するなってか)
   チョコレート単品だけでなくマグカップ付きのパック商品も登場しました。

(2) ウカール
   明治製菓もHPで大々的にPRしています。あのカールの限定品。試験に受かーるという意味です。(しつこい!)

(3) キシリトール
   売れ行き好調なロッテのガム。試験にきっちり通るという意味です。(もう、.....)

(4) 寝てても落ちない! コアラのマーチ
(5) サクッとパスする! ロッテのパス<春サクいちご>
(6) 五角=合格! 五角鉛筆
(7) 置くとパスする! タコの置物(オクトパス)
(8) 一番のAと勝利のV! 大塚製薬のアミノバリュー(健康飲料)
(9) 桜咲く! カバヤの「さくさくぱんだ」をシーズン限定で「さくらさくぱんだ」として販売

他にもまだまだありそうです。

投稿者 messiah : 07:45 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月22日

そう言う自分は大丈夫かな?

近所の医院ですが、診察受付にインターネット予約システムを導入されています。最近はパソコンを持っている世帯が多いのでインターネット予約が増えているようです。その医院からメールが来ました。インターネット予約を利用している全ユーザーに発信されたものでしたが、冒頭の困っています!!という文字が目に飛び込んできた。

何を困っているのか?と読んでみると、



平素より電話予約、インターネット予約にご理解を賜り有難うございます。一部の小児科の保護者の方にインターネットで予約し、その予約時間よりかなり早い時間に来院され、予約を入れているのだから診察時間を早めて欲しいとの理不尽な要望があり困っています。その時間には他の予約の方がおられるので、そのような希望を聞いていては予約システムの意味がありませんし、またその患者さんの本来の予約枠も空き時間になってしまいます。皆様ができるだけ待ち時間が少なくなるようにと導入したシステムが無駄になってしまいます。今後、このような要望をなさる方には、予約システムのご利用を遠慮いただくしかないと考えています。ご協力をお願い致します。

という内容です。

病気になってぐったりしている子供を見ると親はとてつもなく不安になります。少しでも早く診察を受けて薬を与えたい。その気持ちはわかります。今日はスーパーの特売で魚沼産こしひかりを20%OFFで売っているから早く済ませて行きたいと焦る気持ちもわからないではありません。

でも、お母さん!みんなそれぞれの予定があるのです。あなたが予約したのは、優先的に診察してもらう権利ではなく、あくまでも診察時間であることを忘れてはいけません。

効率と利便をもたらしてくれるインターネットですが、実生活との絡み合いの中で弊害も起こります。様々な人が利用していくものには人的な規制やルール作りが避けられないでしょう。

ところで、そう言う自分は大丈夫かな?...と振り返っております。

投稿者 messiah : 08:03 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月21日

ナタデココでいけるなら寒天でもいけそうな?

1992年頃にデザート好きの若い女性の間で話題になりマスコミが取り上げて大ブームになったあのナタデココ。水(99%)と食物繊維(1%)から出きていて整腸を促す健康食品として、またデザートとして今でも販売されています。
そのナタデココにはコレステロールを下げる効果があるようですが、最近になって電子部品の原価を下げる効果の方にも期待がもたれています。

ナタデココが次世代薄型ディスプレイの基板材料として脚光を浴びています。この研究をしているのがパイオニア、三菱化学、京都大学の産学連携チームです。現在の薄型ディスプレイ基板は強度や耐熱性からガラスが使われていますが、ナタデココはガラスと同程度の強度・耐熱性に加えて材料費が安いこと、そして何と言っても曲げられることが大きな特徴です。

このナタデココですが原料はココナッツの実です。ココナッツの皮の中にあるココナッツ水に水と砂糖を加え、酢酸菌を入れて発酵させて表面にできた膜を取り出したものがナタデココです。

次世代薄型ディスプレイ基板を作るときには、
 (1) ナタデココを圧縮機でつぶして水分を取って乾燥させる。
 (2) 繊維質だけが残ったナタデココに特殊な樹脂を注入する。
 (3) 繊維の目の間に樹脂が浸透して全体が透明になる。
 (4) 紫外線を照射する。
こうして出来た柔らかな基板に有機EL(※)という発光材料を張り付けると厚さが1mm以下の曲げ伸ばし自在なディスプレイの完成です。

ところで、この製造方法ですが寒天とよく似ているではありませんか。(先日、テレビ番組で「寒天」の話が放送されていたので思い出した)

寒天は、テングサという海草を煮詰めて出来た粘液を乾燥(日干し)させてトコロテンを作り、それを寒い屋外などで寝かせて水分を飛ばして繊維質だけにしたものです。水分の吸収力が非常に高くて、水を加えて90度以上で熱すると固まって、弾力があって腰が強いあの寒天ができます。

ナタデココで作れるのならよく似た材質、製法の寒天でも作れそうです。ナタデココはフィリピン原産ですが国産の寒天ならもっとコスト削減できそうな気がするのですが、研究チームのみなさん、寒天は試してみましたか?.....
多分、「とっくにやっていますよ」という返事が返ってきそうです。

※ 有機EL
有機ELとは、電流を流すと光る性質をもった有機物質(発光体)のこと。発光体を薄いガラス基板上に蒸着または印刷し、電流の強弱を加減することで発光をコントロールする。低電圧でも高い輝度が得られて見やすく、さらに省電力という点でも優れている。発光材料が有機物であるので基板がプラスチックや紙、そしてナタデココなどの曲げられる素材でも使用できる。

投稿者 messiah : 07:49 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月19日

お客様不在の長い名前


ミツビシトウキョウユーエフジェイと言う名前の銀行が今年10月以降に誕生します。漢字で書くと「三菱東京UFJ」です。
みずほ、りそな、トマトといった3文字の名前がいいというわけではありませんが(綺麗な名前はかえって印象が薄れることもある)それにしても、どうしてこんなに名前が長いのか?

東京三菱銀行・頭取はどうしてこんなに長い名前になったかについて「確かに長いけれども総合的に判断した結果」と述べて詳細については語っていません。

海外での知名度を訴えて「東京」の2文字を残すことに執着した旧東京銀行グループ。名前が消えると吸収合併された印象が残り士気が低下するとこだわったUFJグループ。

驚いたことにお客様が呼びやすく親しみやすい簡単な名前にするという意見は出なかったというのです。出なかったのではなく、言い出せない空気を誰かが、あるいはみんなで作りあげたのでしょうね。

顧客層は高齢者にシフトしています。お年寄りが銀行にやって来て様々な書類に銀行名を書くことがあります。この時に身体の不自由なお年寄りが覚えやすく書きやすい名前とは何か、についてシミュレーションした人はいたのでしょうか?国民から親しみをこめて呼ばれる銀行にふさわしい名前とは何か、について考えた人はいたのでしょうか?

ビジネスの基本は、常にお客様本位で考える視点を持つことです。顧客あっての企業、という論理をどんな些細な事柄に対しても実践してほしいと思います。(銀行名を決めるのはコーポレイト・アイデンティティの一環であり些細な事柄とは言えない)

投稿者 messiah : 08:16 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月18日

インターネット広告の規模が順次拡大中

インターネットにHPなどを掲載する目的の1つに会社や商品の宣伝・広告があります。最近は広告媒体としても急成長しつつあるインターネットがマスコミ4媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)の1つである「ラジオ」の年間広告費を昨年はじめて上回りました。
...と言ってもまだテレビの約12分の1、新聞の約6分の1の規模で、これらの媒体を脅かすほどではありませんが、やや元気のない雑誌に関しては2分の1近くにまで規模が迫っています。インターネットが既存媒体と肩を並べる時代も遠からず、でしょうか?

投稿者 messiah : 08:09 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月17日

モジラの逆襲!...が気がかりなソフト帝国

マイクロソフト社がInternet Explorer(IE)の新バージョン7のリリースを1年前倒しすると発表しました。本来は来年発売する次世代OSに含めて出荷される予定だったのが、どうして急いだのか?何がマイクロソフト社を突き動かしたのか?モジラという得体の知れない怪物の逆襲を予感したのでしょうか。

「先んずれば人を制す」産業界において基本ソフト(OS)でパソコン市場を制覇したマイクロソフト。攻めが最大の防御であることを知っている同社・会長は自分のテリトリーに入ってくる如何なる新興勢力との共存をも許さず、豊富な資金をバックに優位な立場を最大限に活用し、持てる技術力を投入して排除してきました。

その代表例がNetscape社のブラウザNavigatorの駆逐です。Navigatorは1993年に開発がスタートし1994年末に販売されると、いち早く新機能を追加するなどして市場シェアを高めましたが、マイクロソフト社のInternet Explorerとの熾烈なブラウザ戦争を通して市場シェアを奪われました。IEをOSの一部に組み込んで抱き合わせて提供されては勝ち目はありません。

しかし、Netscape社はその後も市場シェアの回復を目指してMozillaプロジェクトを推進していき、1998年にブラウザのオープンソース化(ソースコードの公開)に踏み切り、2003年にそのプロジェクトが非営利組織のMozilla財団に引き継がれて新しいブラウザMozilla Firefoxが誕生します。(※ Netscape NavigatorはFirefoxとは別にその後も改良されて現在はNetscape 7.1としてリリースされている。Netscape Japanのサイトから無償でダウンロードできる)

Firefoxの人気は凄いもので、2004年11月9日にインターネットで無償提供されてから僅か3ヶ月余りで250万件のダウンロードを達成しています。

IEのアメリカ国内におけるシェア降下にも驚きます。2004年6月に95%だったのが半年後の12月には91%に減っています。そしてシェアを0%から4%に上げたのは言うまでもなくFirefoxです。減った分はFirefoxへ流れたということです。マイクロソフト社・会長が危機感を通り越して怒り心頭になっている姿が目に浮かびます。

私もFireFoxをメインに使っています。一度使ったら手放せない。それがタブブラウザ(1/17)の中で書きましたが、本当に使い易い。世界中の技術者が自由に手を加えることができ、IEのようにハッカーの標的になることもないのでセキュリティ面でも安心。(シェアがもっと増加すれば狙われるかもしれませんが当面はOKでしょう)

ゴジラ映画は「ゴジラ FINAL WARS」の放映でピリオドを打ちましたが、モジラの逆襲!...は今始まったばかり。巨大なソフト帝国に一矢を報いることができるのでしょうか。

投稿者 messiah : 07:55 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月16日

赤チンは今何処に?

今朝、台所で足の踵(かかと)を爪楊枝で刺してしまい、先端が5mmほど垂直に足に食い込みました。スリッパは履いていました。そのスリッパの裏で、横にお休みになっていた爪楊枝を抱き起こして空間に垂直に立て、ここしかないという絶対のタイミングで倒れようとする爪楊枝の先端を踵で押さえて固定し、上から体重をかけてしまったのです。奇跡の足技でした。
幸い踵は皮膚が厚いので中にまで深くは到らず出血も少なかった。すぐに消毒液を塗りましたが、私の子供の頃はこんな場合は赤チンかヨーチンと相場が決まっていました。その赤チンですが最近見かけなくなりました。どこへ行ったのでしょうか?

赤チンは「赤いヨードチンキ」の意味で、同じ殺菌・消毒の目的で使われる希ヨードチンキが茶色なのに対して色が赤いことから赤チンと言われたようです。1919年に開発され、家庭の常備薬の一つとして広く使われていたが、製造工程で水銀が発生することから、日本では1973年頃に製造が中止され、アメリカでも1990年頃に販売が中止されています。その代替品として出ているのが「マキロン」です。

この赤チンに関して、あるサイトで実に懐かしい、時代の香り漂うメッセージを発見しました。ここに紹介させて頂きます。



昭和四五年ころ、軍艦マーチのメロディーで「ABCD階段で、カニにチンポコ挟まれた…」と始まる替え歌が、千葉では流行っていた。この一節に「赤チン塗ったら真っ赤ッか」ということばがあった。マーキュロクロム液当時は、傷薬といえば赤チン。半ズボンを履いたチビッ子たちは、膝頭を真っ赤にして空き地を走りまわっていた。水銀が入っていたせいだろうか、傷口は夕陽を浴びると、キラキラと金属色に反射していた。私は小学校では六年間保健係であった。怪我をした同級生を保健室に連れていくのが主な役目だ。だが、あいにく養護の先生がいない時、わたしはニヤリと笑う。保健室に用意された道具で、手当をするのだ。保健の先生は簡単な怪我なら子どもたちに手当をまかせていた。限りなく本物に近いお医者さんごっこは楽しい。私は怪我マニアで、自分のちょっとしたけがでも大袈裟に包帯を巻くのが大好きな子供だった。図書館で「包帯の巻き方」なんて本を借りて、解けにくい巻き方を研究したりするマニアック少年であった。
 友人をモルモットに治療は行われた。まず傷口をオキシフルが染み込んだ丸い綿球で洗った。血と混ざりあった濁った泡が沢山でる。コーラみたい。しみて痛がる友人をよそに、私はすりガラスでできた丸いフタを開け、赤チンをつける。この赤チンも丸い綿球であった。これは服につくと厄介なので、ギュウギュウ強くピンセットで挟み、余分な液をしたたり落としておく。赤チンをつけた後、ホントは黄色いアクリノールをつけたガーゼを当て、油紙の上から包帯を巻きたいところだが、いろんな薬をつけてはマズイだろうという抑制が働いてやめる。「もうこれでいいよう」と逃げの態勢に入っている同級生患者を無理に丸イスに座らせ、白いガーゼをあて、バンソウコウで「井」の字で固定。これがいつものパターンであった。しかしその赤チンも五年生ころにはなくなり、ラッキョウ型のマキロンに代わった。スプレーで、傷口に噴射すればよい。私は職を失った……。

まぼろしチャンネルこちらより

「赤チンはもう世の中から消えたのかなあ」と実家の母に言うと、薬箱から一直線に取り出して「これ、塗りなさい」と当たり前のように私に差し出したのでした。昭和一桁生まれの母にとって赤チンは生活の一部。マキロンで消毒した上にさらに無理やり赤チンを塗らされました。製造も販売もしていないが、家庭の薬箱の奥でいつ来るかわからない出番を待っている赤チンはまだまだ世の中にたくさんありそうです。

050216-01.jpg
実家の薬箱にあった赤チン

投稿者 messiah : 11:48 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月15日

単なる商品広告でない広告の効果

先日、1日限定で牛丼を復活させた吉野屋が全国紙の半面の大きなスペースで広告を出していました。曰く、

牛丼を愛してくれて、ありがとう。
たった1日だけで、ごめんなさい。

コピー、なかなかうまいですねえ。牛丼を1日復活した後に全国から5,000を超えるメッセージが届きその中からピックアップした46通りの顧客の声が掲載されていました。ちょっと印象に残ったメッセージを紹介します。

早く普通に吉牛を食べれるようになりたいですね。今日印象的だったのは、みんな行列を作って待っているのに楽しそうでした。(私を含めて)(東京都 会社員 41歳)

このメッセージには素直な気持ちが滲み出ています。「もうすぐ食べられるぞ」と思うと行列に並んでいることすら楽しめる、そんな心を持たせてくれるこの牛丼の商品価値は高い。それは、例え一時であっても心を暖め幸せにしてくれる価値です。そうした価値を提供し続ける限り、今は牛肉輸入ができなくて苦しい状況が続いていますが、必ず顧客は忘れずに待っていてくれるはずです。

本当は大盛を食べたかったのですが並んでいる人を見ると一人でも多くの人が口に出来る様にと思い並を頂きました。並盛¥300と言う大英断も感動しました。(愛知県 会社員 36歳)

この人のような気持ちを今の時代にみんなが持っていたら、殺伐とした空気が消えて心豊かな世の中になることは間違いありません。

続けて吉野家は、現在日米政府間で協議されている部分的な輸入解禁が実施されても牛丼をつくるための「ショートプレート」(バラ肉)が足りない状況には変わりないと紙面で訴えています。ショートプレートを使う理由は吉野家によると

 ・ ショートプレートはWHOの定めるカテゴリーIV(無感染性)に属し、BSEが感染した実例がない。
 ・ BSEは生後30ヶ月以上の牛からしか発生実績がないが、輸入しているショートプレートは生後24ヶ月未満の牛のみを
  使用している。
 ・ BSEおよび口蹄疫の未発生国のみを輸入先としている。

部分的な輸入解禁が実施されても確保できるショートプレートは需要の1割程度しかないと説明し、広告の終わりにアメリカ産牛肉輸入の正常化を願っていると結んでいます。

最近の広告を見ると単なる商品広告でないものが増えています。今回の吉野家の広告は顧客への感謝の念と問題の提起を兼ねたタイムリーなもので、効果が後々効いてきそうな広告でした。(因みに私は牛丼はあまり食べませんが)

投稿者 messiah : 08:11 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月14日

ニッポン放送の株式取得騒動の背景には?

今話題になっているライブドア社によるニッポン放送株式の大量取得に関連してフジテレビとの間で起こっている騒動。マスコミの注目は仕掛けたライブドア社・社長だけに集まっています。しかし、この問題は企業と企業の関係、企業と投資家の関係を巡って生じた利益争奪の駆け引きが背景にあるような気がします。

2004年2月にニッポン放送がフジテレビに対して自社株式を売却して、それまで32.2%あったフジテレビ株の保有比率が22.5%に減少したことを受けて、配当金の税制上のメリットを喪失したとして大株主の投資ファンドがニッポン放送に抗議しています。(25%以上ないと配当金の二重課税を回避する益金不算入制度が適用されないため配当利益を損なうから)

そして投資ファンド側は、ニッポン放送とフジテレビの歪な資本関係(親会社・子会社の規模が逆転した)の是正と将来の株主価値・企業価値の毀損防止を唱えて、投資ファンド側の代表取締役他2名を社外取締役とするように株主提案を行います。これに対してニッポン放送側は自らが選択した3名の社外取締役候補を提示して投資ファンド側に株主提案の取り下げを依頼したのでした。

ここで投資ファンド側はニッポン放送に対して、資本政策を正式に議論できる場の設置とその場への参加を保証するならば株主提案の取り下げを検討すると返します。

この問題は、ニッポン放送が選任した社外取締役、ニッポン放送経営陣、主な大株主の3者が資本政策を議論する「資本政策懇話会(仮称)」の設置を、ニッポン放送側が取締役会で前向きに検討する、と譲歩した結果、投資ファンド側が株主提案を取り下げて一応の決着をみます。(2004年6月)

こうした経緯があったのですが、少なくともニッポン放送とフジテレビ、ニッポン放送と投資ファンドのそれぞれの間で、互いに利益追求を求めて相容れない対立構造が形成されても不思議ではないでしょう。ライブドア社がどのように絡んでいるかは不明ですが、こうした背景が今回の騒動の導火線となっていると考えるのは飛躍でしょうか。

投稿者 messiah : 18:51 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月12日

吉野家へご来店のお客様は、車から降りて...

吉野家が1日限定で牛丼を復活したところ長蛇の行列があちこちで...大阪府堺市の吉野家第二阪和浜寺店では牛丼を食べていたらなんと乗用車がバックで店に突っ込んできた。グァシャーー!

お客さんビックリしたでしょうね。久しぶりの味に感激の最中に突然、目の前でガッシャーーですから。ここは堺市。ハリウッドではありませんよ。

この事故の後で一旦お店は閉店したのですが並んでいたお客さんが「牛丼を食わせろ」と強く迫り、店側もここまで来ればヤルしかないと悟って営業は再開されました。例え店に穴が空いていようが関係なし。牛丼を食べたい、そんなファンの執念に脱帽です。

ブレーキとアクセルを踏み間違えたこの運転手、牛丼を早く食べたくて焦っていたのでしょうか。お客様、次回は車ごとの入店はご遠慮ください。

投稿者 messiah : 09:57 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月11日

会社員人生の極意 これにあり

(管理職の座を争っている人たちは別として)会社員も50歳になると「後10年で俺も定年かあ。ここで失業するのはこわいから無難に勤めるしかないな」という人が激増します。「後10年しかないので一花咲かすぞ」と考える人はいません。そう思った途端に、40歳代まであれほどメラメラと燃え盛っていた心の炎がいつの間にか少しずつ勢いを落として、終にはショボショボと消失していくのです。そんな侘しい状況に陥らないための極意があります。

逆らわず 流されず

会社員はピラミッドに例えられる組織の中で生きています。(ピラミッドの高さや形状は様々ですが基本的にはどこでも同じ)そんな規制された組織の中で上司や経営側に逆らってばかりいると仕事を与えてもらえなくなります。基本的には上からの命令には「はい。わかりました」という答えを瞬時に返して速攻で取り組む気構えが必要です。

しかし、逆らわずではあるが、それと矛盾しないように流されないことが実は重要です。「流されず」とは自分で物を考えて行動し責任を持つところから生まれる誇りと自信をもって、例え上司から命令されたことでも「わかりました。しかし、ここはこういう問題もありますし、こうした方がいいと思うんですが、どうでしょう」と言える勇気と習慣を持つことです。

往々にして逆らわず、流されるになっていまいがちな会社員人生ですが、実力と人望で上に上がっていく人はこの2つのバランスの取りかたが上手なのです。私の考える会社員人生の極意、あなたはどう思われますか?

東レは今年から管理職以外の55歳以上のベテラン社員の士気向上のために報酬面での優遇措置を実施します。航空会社はベテランパイロットが引き続き就航できるように定年延長しました。大阪商工会議所は商品企画、市場調査で熟年の知恵を生かすためのコミュニティを今年中に発足させます。

長年にわたり培われた能力は例え50歳になろうが60歳になろうが、国や企業や社会にとって必要なものは必要なのです。能力のある熟年を埋もれさせないような社会の仕組み作りの進展を期待したいと思います。

投稿者 messiah : 07:56 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月10日

市民の関心 ここにあり

人間の持つ性(さが)とでも言うべきでしょうか。
 1. 不幸な人には哀れみを覚え支援したくなる。
 2. その人が立ち直る姿を見て我が事のように喜ぶ。
 3. 人が自分より恵まれていると感じるとその人が羨ましい。
 4. 一人だけ目立って得をしている人は許せない。
こういった感情は誰にも大なり小なりあると思いますが、大阪市の場合は4のケースでHPにアクセスが殺到しています。

去る2月4日夕刻から5日夜明けにかけて大阪市役所・本庁で、福利厚生・給与制度の見直しに関連して大阪市と大阪市労働組合連合会との交渉が行われました。大阪市職員が厚遇を受けていた問題が波紋を広げ非難を受けている中で、大阪市はこれを是正するために労使交渉に臨みました。下記はその議事録の一部です。

(前略)...市民の理解を得られるような福利厚生制度、給与制度を考えており、それについて職員の理解を得ていきたい。
組合職員のことはどう考えているのか。頑張って仕事をしている職員に対する言葉がないではないか。
もちろん市長が職員のことについて全く触れていないわけではない。職員の職務に対する苦労について絶えず感謝の意は述べられている。今回そういった職員のこれまでの給与・福利厚生について市民から非常に批判的に言われていることを市長も真摯に受けとめており、今回、市民の信頼回復を図る上から、あるいは市民の理解を得るために職員の皆様方に一定、これまで実施してきた給与制度・福利厚生制度について一部見直しをしたいということで理解を求めていくということであろうかと思う。
組合法令・条例遵守とか言われているが、今年度の大阪市人事委員会勧告は守られているのか。市長の立場からすれば、人事委員会勧告は守って当然ではないか。人事委員会勧告の違反はいいのか。この間福利厚生問題検討委員会で協議してきたことは無視をしていいのか。いったいどういった判断基準を持っているのか。

という調子で続いて行きます。さらに、組合側は次のように発言しています。

組合給与制度は厚遇とどう関係あるのか。人事委員会勧告も守れなくても厚遇というのか。給与制度と福利厚生制度を何もかも一緒にすべきではない。厚遇と言うのをどう捉えているのか。事業の重複のことではないのか。ましてや給与カットの中で厚遇と言えるのか。さらに給与カットというのか。福利厚生事業が厚遇と言われる原因は、一部が錯綜・重複しているからではないのか。
組合社会情勢だけを勘案するのではなく、現場実態も踏まえるべきである。また、福利厚生と給与とあわせて厚遇と考えているのか。
組合今までも、見直しの検討を、時代に応じて労使の真剣な協議のもとに行ってきた。今回、それが即廃止とは、横暴ではないか。現場や職場、各部局の手当の性格や歴史や背景、仕事の根幹的な部分を否定することが含まれている。すべて重複だから廃止なんて断じて許されない。...(後略)
組合給与制度のどこが厚遇なのか、はっきりしてほしい。

こうして徹夜で協議が行われましたが結論は出ず、今後も協議を継続するということで終わりました。
この議事録が2月7日に大阪市のHPに掲載されると、4時間ほどで2,500件のアクセスがあり、普段は1日に8,000件程度のアクセス数がどんどんと増えていき8日には20,000件を突破しました。市の企画広報課は「職員厚遇に対する市民の関心の高さを痛感しています」とのコメントを出しています。9日も引き続き交渉が行われ、テレビのニュースでその様子が放送されていましたが、話は平行線のまま2時間で打ち切られました。

一人だけ得をするのは許せないという市民感情が、大きな関心となって現れた結果です。赤字財政を立て直すには、活性化のイベントや企業誘致の前に、先ず自分自身の浪費がないかを徹底チェックすることを優先してほしいものです。お役所というのは民の意にそぐわないことでも執行できる権利を授かっている代わりに民に対して自ら手本を示す義務があります。市長のリーダーシップにより早期の是正を期待したいところです。隗より始めよ 大阪市!

投稿者 messiah : 07:25 | コメント (1) | トラックバック

2005年02月09日

生き返った技術 2次元バーコード

携帯電話にカメラが装備されなければ、現在多くの携帯電話に搭載されているバーコード読み取り機能は登場していません。今やカタログ、雑誌、チラシから看板、ホームページ、商品パッケージにまで印刷されて活躍する2次元バーコードですが、もしカメラ付き携帯電話が登場していなければレガシーな技術となっていたかも知れません。ライバル技術によって駆逐されて...

日本においてバーコードは1980年代にセブンイレブンが全国展開でPOSシステムを導入してから普及に弾みがつき、その後、流通業界に革新をもたらして社会生活に深く浸透した技術です。しかし、これまでバーコードを読み取る機械(バーコードリーダー)は一般家庭にはありませんでした。それはスーパーや店舗などの組織が使う設備でした。手軽に読み取りができない点がネックとなってバーコードの用途はある意味で限定されていました。

ところが携帯電話によってバーコード読み取りが可能になるとバーコードリーダーは”組織が持つ設備”から”個人が持つ道具”へと機能を拡張し、一般用途へと裾野を広げることに成功したのです。技術の適用範囲が拡大するか否かはその技術の生き残りを左右します。

(現在も主流の)1次元バーコードの情報量に限界がきて2次元バーコードが開発された後、同じ1990年代に小型・軽量・低価格化されて登場したのが非接触無線ICタグ技術です。

無線ICタグはその後、SUICAなどの交通カードで実績を上げ、六本木ヒルズなどのビル保守システムに活用され、am/pmなどのコンビニ決済に用途を広げ、その未知なる可能性から一時はバーコードを過去の技術に追いやると思われていました。

影に隠れた感があった2次元バーコードですがカメラ付き携帯電話の力を借りて見事に生き返ります。比較的古い技術であるバーコードが何故、新しいアプリケーションを生み出せているのか。

上述のようにバーコードリーダーが一般に普及したことがありますが、もう1つは、日常生活に溶け込んだ”紙”という媒体を通して流通する情報だからでしょう。活用アイディアさえ捻り出すことが出来れば、後は流通している媒体に乗せるだけで済みます。

カタログ、雑誌などの紙面上に2次元バーコードを印刷してホームぺージへのアクセスを誘導したり、商品パッケージに印刷された2次元バーコードから商品の詳細情報を取り出す。(例えば、玉子パックに印刷された2次元バーコードを携帯電話で読み取って、生産地や賞味期限などの情報をその場で入手する)

こうしたバーコードの用途の広がりを見ていると、暫らくは無線ICタグと棲み分けがながら進展していきそうです。携帯電話というはじめは何の関係もないものとある時偶然関係を持つことによって予想もしない結果が生まれる、バーコードにとってこれは運命としか言いようがありません。

投稿者 messiah : 00:00 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月08日

「注目」という心理を利用した事件

不特定多数の顧客を対象とするビジネス(インターネットビジネスなど)に共通する仕組みは、売りたい商品やサービスが置かれている場所に人をどれだけ多く導けるかにあります。そのために顧客が興味をもつ仕掛けを用意して誘導し、そのすぐ近くに商品やサービスを陳列するというのが一般的な手法となっています。
さて、ある悪事を働いた業者が逮捕されました。この業者、思いつきは悪くなかったのですがどうも焦っていたようです。

歩道上に「緊急及災害時避難場所 〇〇小学校」と書かれた標識を無許可で400本設置してその標識の下に病院などの広告を取り付けて年間3万円の広告費を受け取っていた業者が道路交通法違反で逮捕されました。広告を集める際に架空の団体名を使ったこと、および昨年末の発覚後、警察からの撤去勧告を無視し続けたことでとうとう逮捕となりました。
この業者は悪い奴ですが、不特定多数を対象とするビジネスの仕組みを一部利用しています。

 1.世界規模で発生している大災害への危機感を背景に注目度が高い標識に着目した。
 2.多くの人が注目する標識のすぐ近くにある広告は目立つ。

ここまでは良かったのですが、

 3.架空の公共団体の代表を名乗って広告主を安心させて出資させた。(詐欺行為)
 4.標識を無許可で設置した。(道路交通法違反)

こういう基本的なことを考えていなかった、というか確信犯だったのかも知れません。
どうやら災害に対する危機感が国民の話題になっている今しかチャンスがないと思って行動した。焦っていたようです。

投稿者 messiah : 07:38 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月06日

確定申告 今年からの変更点

確定申告の時期が迫ってきて、昨年の申告の時は税務署に何回も足を運んで勉強しながら自分で申告書を作成したのですが、お陰でその時の記憶がまだ薄れていなくて今年は比較的すらすらと申告書を作成できました。ここでは確定申告の基礎知識と今年から変更になった点をちょっと説明します。

確定申告とは何なのか?ということですが、昨年の1月1日から12月31日までの1年間に得た収入とそれを得るために使った費用などを抽出して、あるルールに基づいて個人個人にかかる税金(これを所得税と云う)を自分で計算して税務署に申告することです。申告納税額がプラスなら所得税を税務署に納付し、マイナスなら税務署から払い過ぎた所得税を返してもらうという2つに1つの選択です。(プラスマイナスゼロの場合は申告の必要がない)

確定申告というと複雑で面倒そうですが、所得税の算出方法さえ判れば実はいたって簡単なのです。次表は収入と所得および所得税の関係について表したものです。




収入と所得および所得税の関係
自 営会社員自 営/会社員(共通)備 考
収入の種類売上
雑収入etc.
給与
etc.
家賃、一時金
etc.
ふりはじきそざい:不動産、利子、配当、事業、給与、総合課税の譲渡、雑、一時
(退職、山林)
収入金額控 除必要経費給与所得控除支払を受けた一時金に対して支払った保険金、掛金その収入を得るために支出したもの
所得金額控 除  医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、損害保険料控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除、小規模企業共済等掛金控除、寄付金控除、老年者控除、寡婦・寡夫控除、障害者控除、勤労学生控除、雑損控除・不意の高額支出に対する救済
・将来や万一の備えとしての支出に対する補填
・国策、社会政策による補填
課税所得金額←×税率↓ 
所得税額の計算式
課税所得金額所得税額
0円0円
1,000円~3,299,000円課税所得金額×0.1円
3,300,000円~8,999,000円課税所得金額×0.2-330,000円
9,000,000円~17,999,000円課税所得金額×0.3-1,230,000円
18,000,000円~課税所得金額×0.37-2,490,000円

所得税額控除 源泉徴収税額配当控除、住宅借入金等特別控除、政党等寄付金特別控除、定率減税額、災害減免額、外国税額控除国策、社会政策による補填
申告納税額    

「収入」と「所得」とはどう違うの?と問われてもつい最近まで私も答えられませんでした。確かに、年収とか月収とか言いますし、年間所得とか高額所得者とかも言います。どちらも大きな違いはありませんので同じ意味の言葉として使ってもまず問題は起きません。しかし、確定申告をする時はそうはいかないのです。

上表からわかるように、収入とは働いて受け取ったお金の総額のことです。一方、所得とは

所得=収入-その収入を得るための費用

となります。その収入を得るための費用とは、自営業者ならば必要経費(製造原価、仕入代金、賃金、原価償却費・・・)ということになります。それに対して会社員の場合は「給与所得控除」が必要経費に相当しますが、私も最初はこれがピンとこなかったのです。自営業者と同様に会社員が働く上でも色々な経費を使います。しかしこれは会社に請求すれば支給されるので会社員が収入を得るために要した費用でもない。その費用は会社の必要経費となるのですが、それでは会社員の必要経費とは、どう考えればいいのか。

配偶者特別控除
配偶者の合計所得金額控除額
0円~49,999円38万円
50,000円~99,999円33万円
100,000円~149,999円28万円
150,000円~199,999円23万円
200,000円~249,999円18万円
250,000円~299,999円13万円
300,000円~349,999円8万円
350,000円~379,999円3万円
380,000円0円
380,001円~399,999円38万円
400,000円~449,999円36万円
450,000円~499,999円31万円
500,000円~549,999円26万円
550,000円~599,999円21万円
600,000円~649,999円16万円
650,000円~699,999円11万円
700,000円~749,999円6万円
750,000円~759,999円3万円
760,000円~0円
自営業者は事業収入からその収入を得るために使った必要経費を差し引くことにより事業所得を計算します。その一方、給与所得者に対しても同様に給与収入から給与所得を得るために必要な経費を(会社ではなく)国が認めています。これが「給与所得控除」です。

自営業者の必要経費は実際に支出したものであることが必要ですが、給与所得者の必要経費である給与所得控除は実際にお金を使っていなくても給与所得者に認められているものです。給与所得控除とは会社員に対して一律に国が認めた必要経費のことなのです。(これが削減されると給与所得者にとっては増税されるということになります)

さて、平成16年分(つまり平成17年に行う確定申告)では昨年とは異なるものが1つだけあります。それは配偶者特別控除です。左表の中の赤字の項目が今年からなくなりました。

配偶者特別控除とは、生計を一にする配偶者(例えば、ご主人が申告者ならばその奥さんのこと)の昨年の合計所得金額に応じて所得金額から特別に控除されるものです。少しでも多く控除された方が課税所得金額が減り所得税額も減りますから納税者には有利です。(一番上の表を参照)

今仮に、申告者の奥さんがパートとして働いていて、昨年の収入が80万円だとします。(奥さんの勤め先が発行する源泉徴収票には、支払金額:80万円、給与所得控除後の金額:15万円と記載されます)

つまり、奥さんのパート収入80万円から国が認めている必要経費(給与所得控除)65万円を引いた残りの15万円が所得金額になります。(但し、給与所得控除は収入金額によって変化する。収入金額が651,000円~1,618,999円の場合が65万円)

すると、所得金額15万円は今年の確定申告からは控除の対象にならないということで、残念ながら所得税を減らす役には立たないのです。

一番有利なのは、収入金額で言えば103万円を超えて105万円未満の場合で控除額は38万円となります。配偶者の皆さん!丁度、この範囲に収まるような仕事を探しましょう。

投稿者 messiah : 10:58 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月04日

ああ 炬燵よ、どこへ行く...

20年間使ってきた我が家のコタツがこわれてしまいました。修理しようか、それとも買い換えようかと迷いましたが、ヒーターだけを取り外して、大阪市内の電気街のあるお店に持ち込んで修理を依頼したところ...

修理をするよりもヒーターとコードがセットで販売されているのでそれを購入した方が安上がりとのことでした。価格は1万円前後でしたが、売り場には14,800円の新品の家具調コタツが置かれていました。他の店にも行って調べてみましたが、店頭価格帯は15,000円~30,000円というところです。しっかりした家具調の、見かけは5万円以上するかと思うようなものでも意外に安い。とにかく、ここのところ寒いし、受験を控えている子供もいるし、夕食後にテレビを見る時にもコタツがないと多いに困るので5,000円程度の差であればと思って新品を購入しました。

そこで気がついたのは、販売シーズンは去っているとは言え、コタツ売り場に置かれている商品数の少なさ。2つだけとか、多いところで2段重ねに陳列して6つほどが並んでいるだけ。それにしても淋しい売り場ばかりでした。場所をとる、付加価値が付けにくい、価格が下がるということで、各家庭に欠かせない商品にも関らず市場が停滞している代表格がこのコタツでしょう。

足や膝の運動に支障がある人は洋式トイレもそうですが椅子型スタイルを好みます。そのため、立ったり座ったりが多くなる従来のコタツに対する評判はよくありません。(最近では腰掛け式コタツが販売されるようになりました)

さらに、このコタツを処分する場合、大きくて重くて扱いにくいので廃品回収業者に避けられているようで、自治体に依頼して廃棄処分するしかない...という有様で、コタツはあちらこちらで歓迎されていない可愛そうな家電なのです。

白物家電では斜め開閉式洗濯機がよく売れたり、花粉症対策空気清浄機に人気が殺到したりなど新たな付加価値を見出して息を吹き返すものがあります。
日本伝統の家電の1つが時代の中で岐路を迎えている...新しい付加価値を見出せるか。コタツよ!

投稿者 messiah : 07:51 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月03日

プロ野球の新球団構想はアイディアマンの夢か

近畿産業信用組合という(私にはあまり馴染みのない)金融機関が、大阪を基盤とするプロ野球の新球団構想をおおやけにしました。タクシー業界の風雲爺(1928年のお生まれ)ことMKタクシー(エムケイ株式会社)会長の青木定雄氏が音頭をとって、早ければ来シーズンからの参入を目指すとのこと。出来れば四国リーグと連携して偶数(2,4,6,・・・)の球団が誕生すれば試合日程が組み易いので実現の可能性も高まるのでは、と思います。老いて尚盛ん?<(_ _)>な青木氏ですが、この方、現在のインターネット商法と同じ設計思想の商売をもう30年以上前に思いついていたようです。

1970年代、タクシー業界では同じ地域の全タクシー会社が横並びに同調して2年ごとに料金の値上げを行っていました。その結果、利用者のタクシー離れが起きて値上げしても収入増加につながらなかった。これに気づいた青木氏は、1981年の一斉値上げの動きに反対し「乗客の理解が得られない安易な値上げは行わない」と業界の動きに待ったをかけたのです。そして1982年、大阪陸運局に対して運賃値下げ申請を行い、これが却下されると運輸省(現・国土交通省)を相手取って大阪地方裁判所に提訴したのです。その後1989年、運輸省側が和解を申し入れ、青木氏はこれを受け入れた、という話は有名です。

また、次のような挨拶を乗務員が行わなければ運賃はもらわないという「MK運賃4つの挨拶運動」を実行しています。
 (1)「MKでございます」「有り難うございます」と挨拶をする。
 (2)行き先は「〇〇までですね」と確認の復唱をする。
 (3)「本日は〇〇がお供いたします」と乗務員名を明らかにする。
 (4)「有り難うございました。お忘れ物はございませんか?」とお礼を言う。

さらに次のような顧客サービスを次々と実施に移しています。
 ・ 身体障害者優先乗車
 ・ 救急タクシー
 ・ 英会話ドライバー
 ・ GPS無線自動配車システム
 ・ メッセンジャーサービス
 ・ 割引回数券の発売
 ・ 代行運転サービス

私が注目したのは、1973年に導入した「動く情報デパート」です。
MKタクシーの車内には大きく「売りたいもの、買いたいものがある方は何でもお申しつけください」と表示がしてある。それを見たお客さんが乗務員に注文すれば、「後でご連絡しますので、お名刺を1枚いただけますか」と言って名刺を受け取り、それを会社の商事部に渡す。商事部は予めエントリーされている売主買主のデータベースから適切な売り手・買い手を探して商談に入る。商談が成立すればマージンの数十%(当時は60%だった)がその乗務員に支給されるというシステムです。

これは現在のインターネット商法の主力となっている「オークション」や「アフィリエイト(※)」と同じ設計思想です。それが30年以上前に考えられ実行されていたことに驚きを感じました。アイディアに古いとか新しいとかはなくて、基本的に優れた設計になっていればそれを時代に合わせて実現していけばいいようです。(言うは易し...ですが)

そう言えば今回の新球団構想も、企業から出資を募って出資企業がそれぞれ各選手を雇用するという誰もが考えもしない発想が盛り込まれているのも青木氏ならではでしょう。
さて、そんな卓越した発想力と権力をものともしない青木氏が「関西が元気になるようにプロ野球球団を呼び戻したい」と掲げた男のロマンと、日本プロ野球機構(NPB)という保守の牙城との戦いが今始まったということで、今後も注目の話題です。

※ アフィリエイト
  自分のサイトに企業サイトへのリンクを張り、閲覧者が自分のサイトを経由して商品を購入したりすると、企業サイトから
  (仲介業者経由で)報酬が支払われるというシステム

参考サイト:NV-CLUB ONLINEこちら

投稿者 messiah : 08:11 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月02日

日本の知財活用はこのままで大丈夫か?

松下電器産業とジャストシステムの知的財産をめぐる訴訟の東京地裁判決が出て、松下側の言い分が認められました。争点になったのは、ワープロソフトなどで「ヘルプモード」で各種操作ボタンをクリックするとその機能説明がバルーン表示されるという、誰もが慣れ親しんだ機能の出所とアイコンの解釈に関するものです。負けた方は「控訴して今後も対抗していく。新製品は安心して買ってほしい」と強気のコメントだったが、どこか物寂しさを感じたのは私だけだろうか?

ジャストシステムはNECのPC98シリーズが日本のパソコン市場を席捲していた時代に、日本語処理基本ソフトとして各社パソコンに採用されて急成長しました。しかし、Microsoft の排他的戦略によってWordにその地位をすっかりと奪われた格好で1998年に赤字に転落したことは周知のことです。(2004年に7年ぶりに経常黒字に転換)
ようやく赤字トンネルから脱したと思ったら、虎の子「一太郎」の販売禁止命令。回復基調にあった業績に影響をもたらさないわけがありません。但し、同社は日本語処理のスペシャリストとしてテキストマイニング等の将来有望な技術を有するので純国産ソフトメーカーとしてこれからも存在価値を持ち続けてほしいと思います。(かく言う私は一太郎ではなくWordを使っています。ある友人は一太郎派で、一太郎でないと出来ない小技が色々ある。だからWordは使わないと言います)

この訴訟ニュースは各メディアがトップで扱っていましたが、要点を2つ抽出してみました。
1つ目は、今回の訴訟もそうだったように異業種間の闘争の増加が考えられます。これまでは同業者の一定量の特許を調べれば経営や開発方針の判断ができた。しかし今後は、業種を越えた広範囲な調査が必要になり、知財を守るためのコストが増加することでしょう。そこに知財ビジネス市場の急拡大が予想されます。

もう1つは日本の知財活用が建設的な展開をしていくのだろうかという疑念。知財活用といいながら実態は訴訟対策にウェイトが置かれる怖れが日本の企業風土には大です。知的財産を自分だけ独占するという排他的思考から脱して自利利他(※)の精神で発展させてほしいものです。特許は独占権を付与する考えが根底にあります。(独占禁止法の適用外となっている)しかし、Creative Commons的な物の見方で、知的財産を善意あるみんなで活用して共存共栄を図ることを企業、業種、あるいは国として独自に提案しないといけないと思うのです。

※ 一般には、自分の努力で得た利益を自分が受け取ると共に他人の利益をはかるという意味ですが、私は、他人の利益を
  考えて行動すれば、それが自分の利益として返ってくるという意味で解釈しています。
  (自利利他より利他自利というべきかな)

投稿者 messiah : 07:41 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月01日

確定申告の時期が近づいた

確定申告の書類が税務署から郵送されてきました。私は長く会社勤務をしていたので税金は全て源泉徴収。税に関する知識も興味もなかったのですが脱サラリーマンライフになってから否応なく確定申告なるものを昨年経験しました。難しい用語のオンパレードで何度も税務署に足を運び大変でした。
私個人の見解ですが、新しい事を苦労の末に完成した時、その直後はその事に対して専門家になりきっています。しかし、暫らく経過すると多くの知識を失っている。しかもそのことに気づいていない。(知識を吸収したつもりになっている)
そして、その傲慢な思いが打ち砕かれる2回目の確定申告が刻々と迫ってきた。今度こそしっかりと知識を吸収しようと思う如月の今日。外には雪がちらほらと...

投稿者 messiah : 08:39 | コメント (0) | トラックバック